「漁婦」

キャンバス・油彩

浅井 忠
1897(明治30)年
57.7×83.5(cm)

 明治29年12月末に、弟子の高島信と千葉県白浜町の根本海岸での取材を基に、帰京後制作した作品で、明治30年の第8回明治美術会展に出品された。近景から遠景にかけての砂浜や岩、かすかにのぞく海、曇った空、前景の漁婦たちがうまく溶け合い、バランスのよい作品に仕上がっている。(この作品を取材した旅の帰途、千葉県大原町で黒田清輝と会い、一緒に写生したことが、黒田の日記に記されている。)

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