《両神山遠望》 平成12年(2000)
キャンバス・油彩 縦81.0 × 横102.2p 
【千葉県立美術館蔵】

 三宅策郎は、明治37年(1904)東京都赤坂区に生まれ、2歳の頃、現在の四街道に転居しました。
 大正7年に千葉中学校に入学し、堀江に学んで強い影響を受け、中学卒業を待たず、3年生の時大正11年に退学し、東京小石川区の川端画学校に転校し洋画部に在籍します。

 当時、通学の汽車の中では画学校に通う無縁寺心澄(日本画)、信田洋(金工)、大須賀力(彫刻)らが乗り合わせていたといわれます。川端画学校は2階建てで常時100名位が学んでおり、美術学校入試課題である石膏デッサンや人体を描いていました。時田直善(日本画)も在籍していました。

大正15年、川端画学校を卒業後、画家の道を選ばずに、本県の教員採用試験を受け、小学校に教員として勤めました。

昭和5年、千葉県術会の結成に参加。帝展、白日会展、千葉美術会展等に出品。

昭和45年、66歳頃から木曽、尾瀬を始めとする日本各地にスケッチ旅行に出かけます。昭和49年以後個展を中心に活躍します。昭和54年に74歳で国交回復後間もない中国へ、四街道町史編纂訪中団の一員として参加し、以来毎年訪中して風景や人物をスケッチしていました。

《両神山遠望》は、平成12年に秩父の両神山へスケッチ旅行した際に描いた作品です。この季節の両神山は、桜、桃、かたくり、レンギョウ等の春の花が一斉に咲きそろい、春の陽射が快く、まるで桃源郷のようだったといいます。



三宅策郎

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明治37年(1904)〜平成18年(2006)