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                             No.6      
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企画展「−悠久のロマンを現代に−篠崎輝夫」が、県立美術館で開催されて
います。この号では篠崎輝夫の画家としての経歴を紹介します。
美術館での鑑賞の一助となれば幸いです。
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洋画家篠崎輝夫の経歴
 
 篠崎輝夫(昭和4〜平成17)は、成田に生まれ、成田の風物やシルクロードに
取材した光景を表現した洋画家です。篠崎は、昭和27年に千葉大学教育学部美
術科を卒業し、昭和30年から笹岡了一に師事します。千葉大学在学中の昭和26
年に光風会展に、昭和34年には日展に初入選し、それ以後、主に光風会展、日
展に出品を続け、光風会常務理事、日展評議員などをつとめました。
 
〔千葉大学在学の時期〕
 今回の調査で、千葉大在学中の《河岸》、《白樺横岳》など初期作品の風景
画が新たに見つかりました。このころ光風会展や県展の出品目録には、《浚渫船》
(第37回光風会展、昭和26年)、《浜の秋》(第3回県展、昭和26年)などの題
名がつけられ、主に風景画を制作していたと思われます。
 
〔成田中学校教諭の時期〕
 昭和27年に千葉大学を卒業し、成田市立成田中学校教諭の職に就き美術を指導
しました。昭和30年には日展や光風会で活躍していた笹岡了一に師事し、これと
前後してJAN(新青年美術家集団)の研究会において柳亮に構図法を学びました。
人物画を得意とした笹岡の影響から、人物をモチーフにした作品を描くようにな
ります。昭和33年の《三重奏》は3人の楽器を演奏する人物群像で光風会K氏賞
を得、以後たびたび光風会展で受賞しています。30歳の時、日展に初入選した昭
和34年の《奏でる》も楽器を演奏する人物群像です。
 
〔絵馬をモチーフとした時期〕
 昭和35年、成田市立成田中学校を退職します。この頃、寺社に奉納された絵馬
に魅せられ、最初の代表的なシリーズとなる「絵馬による連作」を思いたったと
後に語っています。昭和37年光風会会員に推挙され、昭和39年には第7回新日展
に出品した《絵馬》で特選を受賞します。このシリーズは、生涯にわたり重要な
ものとなり、昭和54年には《絵馬による》が光風会第65回特別賞を受賞し、昭和
55年に、51歳で日展会員に推挙されます。
 
〔シルクロードをモチーフにした時期〕
 昭和55年、初めて中国西域取材旅行に出かけ、日本古来の伝統文化の源流を実
感し深い感銘を受けます。以後、絵馬シリーズから継続するテーマとして古代シ
ルクロードをモチーフとする作品の連作が始まります。西域取材で描かれた水彩
スケッチが多く残されており、それらには広大な土地が描かれ、色調は褐色が中
心となり、油彩の大作へと移行する重要なベースとなっています。
 この頃から小湊鉄道沿線の風景や養老渓谷の四季折々のスケッチを描き、『房
総の叙情詩 養老渓谷賛歌(小湊鉄道沿線を描く)』として平成4年に出版して
います。
 平成7年から9年にかけて、敦煌の莫高窟で見た朱色を基調に、市原市鶴舞の
千葉県循環器病センターの《河西通廊西域記》、長南町の長南パブリックコース
の《シルクロード考》の幅5メートルを超えるような大壁画を2点を制作してい
ます。
 平成10年以降の作品には、西域の風物や絵馬のモチーフに加え、仏像の姿が画
面を飾るようになります。この時期の代表作には平成14年の《西域残映》や平成
16年の《遙かなり敦煌》があり、西域取材に基づく古代中国のロマンを表現した
画面は見る者を圧する迫力に満ちています。
 
※「崎」の文字は、本来はつくりの上が「立」ですが、メール配信の都合上、「大」を
使用した文字になっています。御了承ください。
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     県美メールマガジン  No.6 2007.2.15       
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