▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲


県美メールマガジン

                            No.35
▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲
 梅雨明けです。いよいよきらきらの太陽の季節がやってきました。
心も体も元気にさせる夏休みを前に、アート・コレクションの展示は、
第1・第3・第8展示室が様変わりしました。
 さて、今月号は、第1・第3・第8展示室で開催中の展覧会のご紹介と、
実技講座・ワークショップのご案内をお送りいたします。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
第1展示室】
アート・コレクション「石橋武治」

6月30日(火)〜8月2日(日)

石橋武治 1890〜1971(明治23〜昭和46)年
茨城県潮来町に生まれ、本名は武助。
水海道中学を卒業後、白馬研究所で洋画を学び
1911年東京美術学校西洋画科に入学しましたが、3年で中退。
1912年光風会展にて入選。その後も裸婦や人物画を中心に描き、
1933年の帝展に初入選します。
終戦直前に香取市(旧佐原市)へ移住し、千葉へ転居するまでの
10余年間は、故郷の水郷を主題とした風景画を数多く描いています。
平坦な水郷の湿地帯を平明に描き、遠近感と
安定した広がりを表現しました。
光風会評議員を務め、日展委嘱として活動したほか、1949年の千葉県
美術会の創立に参加し、審査員、常任理事を歴任しました。

[ 作品一覧 ]
作品名          制作年           材質

火口        1951(昭和26)年   キャンバス・油彩
並木の道     1952(昭和27)年   キャンバス・油彩
水辺初夏     不詳           キャンバス・油彩
利根川       不詳           キャンバス・油彩              
白鷺のいる風景 1953(昭和28)年   キャンバス・油彩
筑波遠望     1953(昭和28)年   キャンバス・油彩
水辺      1956(昭和31)年      キャンバス・油彩
水郷        不詳           キャンバス・油彩
水辺の家      1963(昭和38)年  キャンバス・油彩        
水辺        1966(昭和41)年   キャンバス・油彩
砂山        1966(昭和41)年   キャンバス・油彩   
都合により作品を変更する場合があります。
                       
アート・コレクション「ガラスの彩り」

7月14日(火)〜8月30日(日)
 
 明治・大正時代、日本のガラスは産業ガラスが中心でしたが、昭和に
入ると美術工芸としてのガラスの確立に向けた動きが見え始めます。
 1927(昭和2)年、第8回帝展(帝国美術院美術展)に工芸家の念願で
あった美術工芸部が新設され、工芸界は活気にあふれました。なかで
も、ガラス部門では近代的ガラス工芸の確立のために二人の作家、岩田
藤七と各務鉱三が活躍し、ガラスは工芸の一部門として定着します。
 岩田藤七は色ガラスや吹きガラスの制作技術を磨き、戦前の現代ガラ
ス工芸の第一人者として活躍し、ほぼ同じ時代に活躍した各務鉱三は、
ドイツに留学してガラス工芸を学び、帰国後、高い技術のクリスタル
ガラスによる作品を制作しました。
 また、戦後活躍した藤田喬平は、工場に勤めながら作品を制作するの
ではなく、壷借り(期間と賃金を定め、決まった期間、炉を借りながら
制作すること)をしながら個人の作家として独立し、自由な発想の元に
制作するという新しい制作スタイルを築きました。藤田は型吹きの技法
により、日本の伝統美を織り込んだ飾筥シリーズを制作し、独創性に
あふれたこれらの作品は国際的に高い評価を得ました。 
 この展示では6名の作家のガラス作品を紹介します。
[ 作品一覧 ]
作家名    作品名       制作年
岩田藤七   貝          1974(昭和49)年
〃        花器        1974(昭和49)年
各務鉱三   水指         不 詳       
藤田喬平   流動・牡丹     1967(昭和42)年
 〃       飾筥・朱雀     1978(昭和53)年
 〃       飾筥・しだれ櫻  1985(昭和60)年
 〃       飾筥・琳派     1985(昭和60)年
岩田久利   花器         1982(昭和57)年
 〃       花器(空色捻文花生) 1993(平成 5)年
石井康治   彩花文器       1995(平成 7)年 
藤田 潤    風の道 2000(平成 12)年

【第3展示室】
アート・コレクション「こどものための展覧会−こどもの情景−」

7月11日(土)〜8月30日(日)

 こどもをモチーフとした美術作品は数多くあります。
それらの作品からは、こどもたちに注がれる大人の愛情の深さや作家の
想いが伝わってきます。また、こどもの着ているもの・持ちものからは、
当時の流行や社会環境、生活のようすをうかがい知ることができます。

本展では、大正時代から平成にかけて制作されたこどもの姿をご紹介し
ます。各時代のこどもたちの生き生きとした表情や愛くるしいしぐさを
ご鑑賞ください。
     
[ 作品一覧 ]
作家名       作品名       制作年       材質
石橋武治     少年         1965(昭和40)年 キャンバス・油彩
石橋武治     窓辺の少女    1965(昭和40)年 キャンバス・油彩
大久保作次郎  庭の木陰      1916(大正 5)年 キャンバス・油彩
大久保作次郎  お茶どき      1950(昭和25)年 キャンバス・油彩
黒田重太郎   女と子犬      1928(昭和 3)年 キャンバス・油彩
塩水流功     みんなおいで!  1996(平成 8)年 キャンバス・油彩
田中定一     私の地球      1990(平成 2)年 キャンバス・油彩
椿 貞雄     春夏秋冬図屏風(春)1931(昭和 6)年 キャンバス・油彩
森 桂一     子供とピアノ    1937(昭和12)年 キャンバス・油彩
安井曽太郎   デッサン
         (人形を持つ少女)  不詳         紙・鉛筆・着彩
浅井 忠    カルタとりの女児  不詳         紙・着彩
五十嵐 幹   子供         1951(昭和26)年 紙・着彩
五十嵐 幹   紅粧         1975(昭和50)年 紙・着彩   
五十嵐 幹   かくれんぼ     1983(昭和58)年  紙・着彩
三谷十糸子   魚紋        1988(昭和63)年  紙・着彩
梅原正夫    なかよし      1985(昭和60)年  アルミ
島田勝吾    少女と鳥      1981(昭和56)年  ブロンズ
高浜かの子   おねだり      1986(昭和61)年  紙塑
長谷川 昂   朝          1979(昭和54)年  木
長谷川 昂   砂あそび      1997(平成 3)年  木
藤野天光    希望        不詳         ブロンズ
山崎 猛     木馬の詩     1984(昭和59)年  ブロンズ 
都合により作品を変更する場合があります。

【第8展示室】
アート・コレクション「石井雙石」
7月4日(土)〜8月23日(日) 
      
 石井雙石(1873・明治6年〜1971・昭和46年)
 山武郡大網白里町出身の篆刻(てんこく)家。
 幼少時に町内の要行寺(ようぎょうじ)にできた四天木(してんぎ)小学
校に入学し、その庭で拾った蝋石のかけらに何気なく印を刻し、それを
褒められたことをきっかけに篆刻に興味を持つようになりました。
在学中には漢学者であった島田鏐蔵(りゅうぞう)の薫陶を得て、卒業後
も島田の学習塾・遠紹(えんしょう)書院で漢学を学びました。
 卒業後は、父の勤務する戸長役場で戸籍の整理や土地台帳の改変の
仕事をする傍ら、書や漢学に対し研鑽をつみ16歳で上京、その後20歳で
徴兵、陸軍に入隊し、日清戦争に従軍・職業軍人の道を歩みます。
 しかし、明治39年、雙石34歳の時、日本新聞の篆刻の懸賞に応募し
二等に入選したのをきっかけに、懸賞の選者である五世濱村蔵六
(ごせいはまむらぞうろく)に師事し、本格的に篆刻を学ぶことになりま
す。
 明治44年には、梨岡素岳(なしおかそがく)ら同門の有志とともに
篆刻研究団体である「長思印会」を設立し、同人向けの篆刻誌
『雕(ちょう)蟲(ちゅう)』を刊行するなど篆刻の発展に努めました。
 大正12年、雙石51歳の時に、篆刻一筋に打ち込むため職業軍人を辞し、
 昭和に入ると泰東書道院の審査員を務め、東方書道会の設立に参画し
ました。
 昭和20年の東京大空襲の際には、蔵書・金石資料すべてを焼失し傷心
しましたが、郷里に疎開しても九十九里の海岸に漂着する木材を用いて
木印六百余りを作るとともに、敗戦からの復興と人々の生活から笑顔を
取り戻したいとの願いをこめ、昭和22年には竹根や南瓜の蔕(へた)を
材料として「一笑百印」を完成させました。
 そうして、昭和23年には日展に第5科として書の部門が設けられると
初の審査員になり、以後日展を舞台に99歳で没するまで活躍しました。
 雙石は、最高裁判所長官之印・文部大臣之印をはじめ、各官公庁の
公印、大手企業の社印、文化界、書家の印など、生涯に亘り
五千顆(か)以上の印を精力的に刻しました。
本展では、石井雙石の印、書、刻字など90点を紹介します。

******************************************************************

☆県立美術館ワークショップ「はんで・あーと」☆
次回のワークショップは紙の色を活かした版画です。

アート・コレクション「深沢幸雄」を鑑賞後、創作体験を行います。
美術館内ででこぼこの形を探し、それをもとに厚紙などで版を作り、版画の
プレス機でプレスして凹凸のある作品に仕上げます。

日時:9月19日(土) 13:00〜15:00  
場所:千葉県立美術館 第7展示室
対象:小学3年生以上中学生
定員:30名
参加費:1000円
※申込:事前のお申し込みが必要です。
申込締切日−9月10日(木)(締切日必着)
参加ご希望の方は、往復はがきに、参加希望ワークショップ名
(はんで・あーと)、住所、氏名(複数名の申込可)、電話番号、
年齢を記入のうえ、下記あてにお申し込みください。
なお、定員を超えた場合は抽選となります。

 〒260-0024 千葉市中央区中央港1-10-1 
        千葉県立美術館ワークショップ係
 問い合わせ先 千葉県立美術館普及課 043-242-8311
 

☆県立美術館実技講座 「銅版画講座」☆

銅版画の制作を通して、道具や薬品の扱い方を学びます。
ペンの様な繊細な描写表現が可能です。

・日時:9月3日〜(6日間)12:30〜16:00
・場所:千葉県立美術館アトリエ
・費用:9000円
・講師:上田靖之先生
・定員:15名
※申込:参加には申込が必要です。
申込締切日−8月20日(木)(申込締切日必着)

参加ご希望の方は、往復はがきに、講座名、住所、氏名、電話番号を記入のうえ、
下記あてにお申し込みください。なお、定員を超えた場合は、抽選となります。
 
〒260-0024 千葉市中央区中央港1-10-1
        千葉県立美術館実技講座係
 問い合わせ先 千葉県立美術館普及課 043-242-8311
 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

◆無断転載はお断りします。
**************************************************************
     県美メールマガジン No.35 2009.7.15
     〒260-0024 千葉市中央区中央港1-10-1
          Tel 043-242-8311  Fax 043-241-7880
          URL http://www.chiba-muse.or.jp/ART/
 ※このメールは送信専用メールアドレスから配信されています。
  返信いただいても、お答えできませんので、御了承ください。
**************************************************************