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県美メールマガジン

                            No.37
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 すっかり風が変わりました。
 初秋のアート・コレクションの展示は、色相も鮮やか。装いを新たに
期間限定作品満載です。
 
 さて、今月号は、第1・第3・第8展示室で開催中の展覧会のご紹介を
お送りいたします。
 
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【第1展示室】
アート・コレクション「東山 魁夷(ひがしやまかいい)」

9月1日(火)〜10月12日(月)

東山 魁夷 1908〜1999(明治41〜平成11)年
神奈川県に生まれる。本名 新吉。
東京美術学校日本画科卒。同研究科に進み、結城素明に師事し
「魁夷」を雅号とした。
研究科修了後、渡独しベルリン大学哲学科で美術史を学ぶ。
帰国後は主に日展で活動。
山、森、木、月、馬など自然の万物をモチーフとし、
それらを湖面(水)に左右・上下相称に描いた。
垂直線、水平線を画面に効果的に配し、従来の日本画にはない
新しい構図により安静や荘厳さ、厳粛さを表現、
風景画家としての地位を確立した。
欧州、中国などでも展覧会を開催し、高い評価を受けた。
宮内庁からの依頼で、東宮御所壁画、皇居新宮殿壁画等の作品や、
唐招提寺御影堂の第一期障壁画<山雲><濤声>を制作。
構想よりおよそ10年の歳月を費やす大作を手掛けた。
戦後より市川市に住まい、日展顧問等歴任した。文化勲章を受章。

作 品 名      制 作 年   材 質
1 門(もん)  1952 (昭和27)年 紙・着彩

2 春雪(しゅんせつ) 1973 (昭和48)年 紙・着彩
 
3 秋深(しゅうしん) 1975 (昭和50)年 紙・着彩 

4 濤声(とうせい) 1994 (平成 6)年 紙・リトグラフ


アートコレクション「若木 山(わかぎたかし) 」    
9月8日(火)〜10月12日(月・祝)

若木 山 1912〜1974 (明治45〜昭和49)年
熊本県に生まれる。本名 山(たかし)。
帝国美術学校日本画科に学び、昭和10年堅山南風 (1887〜1980)に師事した。
その翌年、帝展改組第1回展に初入選。
昭和14年横山大観の内弟子となるが、同18年応召。22年シベリアより復員。
戦後は主に院展で活動し、装飾的な画風で水や魚、働く女性の姿などを描き、日
本美術院賞、
大観賞、奨励賞、白寿賞など受賞。没後49年日本美術院同人に推挙された。
千葉市に住まい、県美術会の審査員や常任理事を歴任した。
[展示作品一覧 ]
作 品 名 制 作 年 材 質
1  安房ノ海処女 1951 (昭和26)年 紙・着彩(二曲一双)
2  冽 (れつ) 1961 (昭和36)年 紙・着彩 
3  湧水 (ゆうすい) 1964 (昭和39)年 紙・着彩 
4  潭 (たん) 1965 (昭和40)年 紙・着彩 
5  潜 (せん) 1966 (昭和41)年 紙・着彩 
6  池の春 1970 (昭和45)年 紙・着彩



【第8展示室】
アート・コレクション「深沢幸雄 」
8月29日(土)〜10月12日(月)
深沢幸雄 1924 (大正13)年 〜  
山梨県に生まれる。
東京美術学校(現・東京藝術大学)工芸科彫金部予科卒業。
1950年市原市に移住。はじめは大作の油彩画を描くことを志すが、
東京大空襲で受けた膝の傷の後遺症のため断念した。
折りしも、戦後現代版画は萌芽期にあり、日本製銅版画プレス機が
試作されたという情報を得ると、深沢はそれを求め、諦めていた
油彩画制作への夢を銅版画制作へとつないだ。
しかしこの頃、銅版画の技術書などは無く、試行錯誤を重ねつつ
独学で銅版画に挑んだ。そして同氏の長年の技術的探究により、
独自のメゾチントやエッチング、アクアチント、ドライポイント
などの複雑な版画技法を修得し版画表現の可能性を開拓した。
特に、1966年ダヴィット社から刊行した「銅版画のテク二ック」は、
後進の多くの銅版画家たちのバイブルといわれる名著となった。
また独自の創意工夫により、電動ベルソー(チンタラー一世)を
考案・開発したことにより、時間と労力を要したメゾチントの
下地を作る作業の効率化が図られ、多数の多版多色刷りカラー・
メゾチント作品を制作することが可能となったのである。
1955年に初めて銅版画を完成させてから近年まで、1100点を越える
作品を制作し、日本版画協会展、東京国際版画ビエンナーレ展、
現代日本美術展などに出品を重ねた。
深沢の初期の作品は、精神の暗部をえぐるような痛切な
モノクロームの画面が中心としていたが、1963年メキシコ国際文化振興会の
招聘により、日本人作家として初めてメキシコで銅版画を指導し、
メキシコやその周辺地域との出会いを機に深沢の銅版画は鮮やかな原色・
ダイナミックな構成へと展開した。
そして1980年代以降では日本人の心象風景を描き、
人間賛歌という温かな作風へと変貌した。
その想像力に満ちた表現世界は、国内外で高い評価を受け、
1994年メキシコ合衆国よりアギラ・アステカ勲章などを受章した。
深沢は、版画以外にも書や陶芸にも才能を発揮し、
近年ではガラス絵のジャンルにも独自の世界を示している。
多摩美術大学名誉教授。日本版画協会名誉会員。

作品名              制作年         材質
骨疾 B 1955(昭和30)年   紙・銅版
ダンテ神曲「地獄篇」より
ブルネット.・ラティーニ   1956(昭和31)年   紙・銅版
ダンテ神曲「地獄篇」より  
チェルベロ          1957(昭和32)年   紙・銅版  
繋縛              1959(昭和34)年 紙・銅版
神話 1959(昭和34)年 紙・銅版
愛憎 1960(昭和35)年 紙・銅版
はがねの華 1960(昭和35)年 紙・銅版
飛天挽歌 1960(昭和35)年 紙・銅版
屈辱史B 1961(昭和36)年 紙・銅版
固いとりで 1962(昭和37)年 紙・銅版
生 1962(昭和37)年 紙・銅版
いしぶみ 1964(昭和39)年 紙・銅版
遺伝(流れ)A 1964(昭和39)年 紙・銅版
古い楽譜(青) 1965(昭和40)年 紙・銅版
古い楽譜(記号) 1965(昭和40)年 紙・銅版
記録 1965(昭和40)年 紙・銅版
土の火の祝祭 1965(昭和40)年 紙・銅版
伝説 1966(昭和41)年 紙・銅版
女帝 1967(昭和42)年 紙・銅版
指の間の記憶B 1970(昭和45)年 紙・銅版
悠久に続く赤い線 1971(昭和46)年 紙・銅版
黎明のヴィーナス 1971(昭和46)年 紙・銅版
星の門 1972(昭和47)年 紙・銅版
凝視(青) 1973(昭和48)年 紙・銅版
影(メヒコ)A 1974(昭和49)年 紙・銅版
青い裸像A 1975(昭和50)年 紙・銅版
ピラミッドの下で 1976(昭和51)年 紙・銅版
掌の中の影 1976(昭和51)年 紙・銅版
壁の中の影 1976(昭和51)年 紙・銅版
白い光の塔(グワテマラ) 1977(昭和52)年 紙・銅版
りんごの中の夜 1978(昭和53)年 紙・銅版
凍れる歩廊<ベーリング海峡> 1978(昭和53)年 紙・銅版
影の中の恋人 1978(昭和53)年 紙・銅版
この遙かなる遠い道 1979(昭和54)年 紙・銅版
天空を計る 1979(昭和54)年 紙・銅版
湾頭に開く花 1979(昭和54)年 紙・銅版
アジェンダの地下にて 1980(昭和55)年 紙・銅版
異次元よりの使者 1981(昭和56)年 紙・銅版
新しき土 1981(昭和56)年 紙・銅版
星屑劇場 1983(昭和58)年 紙・銅版
酒場にて 1983(昭和58)年 紙・銅版
陸橋の上を歩く人 1984(昭和59)年 紙・銅版
憂愁市街(迷路) 1985(昭和60)年 紙・銅版
顔は迷路 1988(昭和63)年 紙・銅版
小鳥紳士 1988(昭和63)年 紙・銅版
顔の地図 1988(昭和63)年 紙・銅版
樹精 1990(平成 2)年 紙・銅版
誇り高き男 1992(平成 4)年 紙・銅版
白い抒情の人 1992(平成 4)年 紙・銅版      

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◎美術館講座受講生による展覧会◎
「作品研究 with ケンビ」−9人の幕総生が選んだ絵画−

開催期間:10月10日(土)〜12日(月)
開催場所:第6展示室
入場料: 無料
 
 本館では、博学連携事業の一つとして、
昨年度から千葉県立幕張総合高等学校と
連携した「美術館講座」を開講しています。
 今年度の受講生は9名で、4月から約6ヶ月間、
美術館に通い、学芸員の仕事を学んできました。
 その成果として、県立美術館の収蔵作品の中から、
各生徒が1点ずつ絵画を選び研究し、展覧会を開催します。
 ぜひ、この機会に高校生が選んだ絵画展をご覧ください。

**関連事業**
ギャラリートーク
開催期日:10月10日(土)
開催時間:14時〜15時
開催場所:第6展示室

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★☆★千葉県移動美術館のおしらせ★☆★

    第33回千葉県移動美術館 

開催場所:いすみ市水彩ギャラリー 

開催期間:平成21年11月17日・火曜日〜11月29日・日曜日

 収蔵作品をより多くの県民の皆様にご鑑賞いただくため、
県内市町村を会場に千葉県移動美術館を開催いたします。
 今年度は、いすみ市水彩ギャラリーを会場として、
日本画・洋画・彫刻・版画・書・工芸の各分野の作品、
30余点を紹介いたします。


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◆無断転載はお断りします。
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     〒260-0024 千葉市中央区中央港1-10-1
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  返信いただいても、お答えできませんので、御了承ください。
  
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