≪パリ公園≫
 

■ 夏目漱石との交流



リュクサンブール公園2014年

浅井はこの公園を度々訪れ、水彩画などを描いた。
 

  ≪パリ公園≫と題した水彩画作品は、小鳥に餌をやる少女の赤いドレスと仕草が印象的です。少女の帽子、その奥の婦人の帽子、さらに奥で日傘をさした婦人の帽子を描き分けています。人物の衣服も、色、デザインを注意深く描き分けています。浅井はパリのファッションにも関心を持っていたのかもしれません。

10月、夏目漱石(なつめそうせき/小説家、評論家、英文学者)が浅井を訪ねました。浅井は不在で、翌日再度訪問したそうです。
漱石はロンドン留学への途上、一週間ほどパリに滞在して博覧会を見学しました。浅井は帰国の際、イタリア、オーストリアなどヨーロッパ諸国を巡り、最後にロンドンから船で帰国しましたが、ロンドンでは漱石を訪ね、彼の下宿に宿泊しました。
漱石の小説『三四郎』に登場する深見画伯は、浅井がモデルです。また、『吾輩は猫である』の中・下編の挿絵は、浅井が手がけました。