土用の丑(ドヨウノウシ)
【暑い土用の時期に、鰻、餅、シジミなどを食べる習慣。また、海、川で水浴する所もある】
 実際に「土用」が意識されるのは、梅雨明けの夏の土用だけといってもいいでしょう。
この時期は、1年の内もっとも暑い時期です。そこで土用の丑といえばうなぎを食べる習慣ですが、これは、一説によると江戸時代に、平賀源内が知り合いのうなぎ屋に頼まれて「本日土用丑の日」という看板を書いたことに由来すると言われています。他にも諸説ありますが、うなぎは古くから夏の栄養食として親しまれてきたらしく、『万葉集』にも次のような歌があります。
「石麻呂に 吾物申す 夏痩せに よしと云う物ぞ 鰻取り召せ」   (大伴家持)
 この日、うなぎ屋は大繁盛です。朝から晩までうなぎを焼いて、店からはうなぎのよいにおいが一日中漂ってきます。また、土用餅、卵、シジミなどを食べる地域もあり、夏を乗り切る知恵だったのでしょう。他にも、「土用干し」といって衣類の虫干しをしたりします。また、この期間に海や川で水浴したり、土用に採った薬草は効果があるといわれたり、菖蒲湯や薬湯を入れた風呂に入る地域もあります。
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