十五夜(ジュウゴヤ)
月見にはこの風流な側面の他に、里芋や豆・稲などの収穫感謝や豊作祈願の意味もあるといわれており、事実、そうした畑作物などを団子などと一緒に供えている光景を見かけることがでさます。行事名を「イモメイゲツ」や「マメメイゲツ」などと呼ぶ所もあるのは、こうした農耕儀礼に由来するものでもあるからです。月と兎が結びつけられるのも、月に映る姿からだけでなく、兎の多産が作物の豊作と結びつけられ、豊作祈願などの月に対する思いに通じるところもあったからでしょう。 
上総の農家−東金市山田の事例
下総の農家−印旛郡栄町安食の事例
安房の農家−安房郡富山町平久里下の事例
武家屋敷−君津市久留里の事例
旧久留里藩の武家の十五夜は次のように行われていました。十五夜の日は、縁側に台を出して、団子十五個を三方にのせて供えました。また、花瓶にさしたすすきの穂やハギ・ワレモコウ・オミナエシの他、栗、柿など季節のものを飾りました。サトイモは茎や葉のついたままで供えました。団子はお月さまにお供えした後、家族でいただき、久留里藩ではあんこをつけて食べました。月見の行事は家の者だけで静かに行われました。