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はじめに 私たちの意識の中の「さかい」とはどのようなものでしょう。県境でしょうか、市町村境でしょうか。交通機関や生活環境の変化の中で、私たちの「さかい」に対する意識はすっかり薄れてしまいました。かつて、現在の行政区分よりも小さな単位の地区や町内などでは、中に災いが入り込まないように、その「さかい」で、様々な災い除けの行事が行われていました。房総のむらでは、千葉県内各地でこれらの行事を調査し、調査を通じて収集した資料は、平成7〜9年度の3か年にわたり、企画展「災いくるな!」として展示しました。このページでは、企画展図録の中から災い除けの行事の種類とそれぞれの行事で作られたわら蛇やわら人形などをご紹介しましょう。 災いを封じる様々な行事 災いを封じる行事としては、災いが外から入って来ないようにするものと、むらの中のけがれを外へ送り出すものがあります。前者の典型が道切りであり、後者には、人形送り、虫送り、おたち、盆綱などがあります。 |
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道切り 疫病が流行らないように行うところが一般的ですが、災いを封じると豊作になるという考えから、五穀豊穣を願って道切りを行うところもあります。正月から2月にかけて多く行われます。疫病神は道を通ってやってやってくると考えられていたので、むらの出入り口にあたる道で行われました。 |
わらの大蛇 (市川市国府台 辻切り) |
しめ縄・手桶・サイコロ・蛸 (飯岡町三川浜 辻切り) |
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男女一対の武者人形 (君津市大坂鴨畑 人形だんご) |
大草履 (富津市関尻 綱つり) |
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道切りの形は、百足や蛇や龍の形をした太綱をむら境の木に掛けるタイプや、綱を道を横切るようにわたし、男女一対の人形や蛸や海老、草履など様々なものを吊り下げるタイプ、また鹿島人形やお札を立てるタイプなどがあります。 | ||||
房総のむら収蔵「道切り」資料ページ
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人形送り・虫送り 災いをむらから送り出す行事です。人形送りは田植えが怪我や病気をせずに無事終わることを祈る行事で、わらなどで作った素朴な人形に身体についた穢れなどを託して、むら境に立てたり、川などに流したものです。虫送りは田植えが終わった5月から7月頃に行われました。稲などにつく病害虫は悪霊の仕業と考えられていたことから、これを追い払い豊作を祈りました。 |
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髷を結った人形 (佐倉市井野 人形送り) |
檜の葉でできた駕籠 (君津市清和市場 虫送り) |
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房総のむら収蔵「人形送り・虫送り」資料ページ
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展示図録のご案内 平成7年度企画展示図録 『災いくるな!II−境にこめた願い−』 千葉県内各地で行われているツナツリ、ツジキリと呼ばれる道切り行事に関する資料35点の紹介。 平成8年度企画展示図録 『災いくるな!III−むら・家・野良 境の諸相−』 「災いくるな!II−境にこめた願い−」の続編。千葉県内の道切り関係資料48点の紹介。 ※いずれも販売はしておりません。お近くの図書館等でご利用ください。 |
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