■ミニトピックス展 「山岳鳥瞰図作家・五百沢智也氏が描いた山 その2」 ―2016年8月11日『山の日』に向けて― 会期:平成27年12月15日~平成28年2月28日
会場:本館にて開催 |
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「山に親しみ、山の恩恵に感謝する」ことを目的にした新しい祝日「山の日」が、平成28年8月11日から施行されます。
これに向けて、氷河地形研究者であり、鳥瞰図作家でもあった故・五百沢智也氏(千葉県一宮町)の山岳鳥瞰図や山のスケッチを、4回に分けて 紹介します。 第2回は、五百沢氏が各地で描いた山のスケッチ画のうち、千葉県や近隣の山を描いた作品を紹介します。千葉県の山が主題なので、これも山?という、小さな丘や人工の山まで登場します。気楽に楽しんで頂ければ幸いです。 <主な展示品> ・鳥瞰図拡大パネルと原図 南房総市岩井の富山、フィールドノート付図:富山鳥瞰図、富山各地のスケッチ。 ・眺望図 長南町野見金山から富士山や関東山地の山眺望・・・南アルプスも見える。 ・スケッチ 県内の山:伊予ヶ岳、鴨川港の弁天島など、約10枚 ・スケッチ 県外の山:筑波山、八溝山 |
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<シリーズ予定> | |
第1回 日本アルプスの広域展望図 第2回 山のスケッチ画 第3回 日本各地の火山地形 第4回 五百沢智也氏が描く富士山 |
平成27年8月11日~11月29日 (展示終了) 平成27年12月15日~平成28年2月28日 平成28年3月12日~6月5日 平成28年6月14日~8月31日 |
<主な展示品> | |
五百沢智也画 「筑波山」 |
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筑波山の西側山麓から見上げたスケッチです。手前の峰が男体山、奥の峰が女体山です。筑波山は、周囲の花崗岩岩体の中に取り込まれたハンレイ岩体が、岩質が風化しにくいため侵食に抗して削られ残って高く峰になった山です。山体が周りより高くなり、自分の重みで山が割れ、男体山と女体山のブロックに分かれ、男体山の東側から、女体山のブロックがスケッチの右側に向かって滑っています。女体山のブロックが、滑った結果、さらに3つに縦割れしている様子が、割れ目を強調して描かれています。 | |
五百沢智也画 「富山鳥瞰図] | |
この絵は、五百沢智也氏が南房総市岩井の富山を訪れた際に、フィールドノートの挿絵として、手早く描いた鳥瞰図と思われます。鳥瞰図の書き方としては、伝統的なブロックダイヤグラム式の図で、2.5万地形図を基に、現地観察により細部を仕上げて作成されている。 富山とその山麓に広がる岩井の小平野の地形が、見事に表現されています。 |
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五百沢智也画 「蛇喰からの伊予ヶ岳」 |
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房総の山のうち、岩峰で知られる、南房総市の伊予ヶ岳の図です。県内では唯一の「岳」のつく山名です。その岩峰の頂上で、一部が崖面に沿った弱線で割れて開き、ずり落ち始めている様子が描かれています。 | |
<五百沢智也氏紹介> | |
<五百沢智也氏年譜> 1933年 山形県山形市に生まれる。 幼少の頃より山形県内やその周辺の山登りに親しむ 1952年 東京教育大学理学部地学科地理学専攻入学。 大学在学中、日本各地の山と岩場に登る 1957年 大学卒業、建設省地理調査所(1960年に国土地理院と改称)に勤務。 5万分の1地形図の測量作成に携わる 1970年 国土地理院退職、以後フリーとなり、調査・執筆活動を行う。 9月~11月、第1回 ヒマラヤ行(これ以降ヒマラヤ行は13回を重ねる) 1979年 岳人「氷の山・火の山シリーズ」をまとめ「鳥瞰図譜日本アルプス」(講談社)刊行 1983年 「日本アルプスおよびヒマラヤ山脈における氷河地形および地誌の研究」により、 第19回秩父宮記念学術賞を受賞 1991年 千葉県一宮町に移る 2007年 千葉県立中央博物館 春の展示「山の科学画」開催 2013年12月 逝去 <主な著書> 鳥瞰図譜日本アルプス(講談社) ヒマラヤトレッキング(山と渓谷社) 山と氷河の図譜(ナカニシヤ)など |
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(文責・企画展示 地学科・八木 館友・吉村) |