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冬の展示 「おもしろ研究紹介」  
会期: 平成18年 11月11日(土)〜12月27日(水)
会場: 県立中央博物館
◆ 展示のねらい
当館が行っている多様な研究テーマの中から6つを選び、それぞれの目的や成果を紹介します。すこしマニアックな研究者の世界をのぞいてください。 
こんな感じの展示です
 展示の方針  
  博物館では どんな研究をしているの? 千葉県立中央博物館のスタッフのうち6人が、これまで行ってきた研究の一部を紹介します。

展示内容  
 雲南の地衣類 ―研究紹介と標本庫探検―

    原田 浩
(植物学研究科)

 雲南省は中国の南部,ヒマラヤ山脈の東側に位置し、古くから民族・文化について日本との関係という点で興味が持たれている地域です。
 生物相も同様に日本との関係が深いとされることに加え、極めて多様な自然環境を擁することから世界でも有数の多様な地衣類相が期待され、興味深い地域です。 当館では、中国科学院昆明植物研究所の地衣類研究者と協力し、雲南地方の調査を行っています。その結果の一部を紹介します。
 

 展示者本人による解説(ミュージアムトーク)を  11/11(土)に行います。

  魚類の多様性・生態・進化をさぐる

    宮 正樹
(動物学研究科)


 魚類とは,陸上生活に適応することのなかった原始的な脊椎動物の一群を示す総称です。
 その中でも,条鰭類は28,000種あまりを含む最大のグループで、肉鰭類(シーラカンス+肺魚+四足動物)と4億5千年前に分かれてから、淡水、浅海、深海とあらゆる水環境に適応してきました。
 今回は、ミトコンドリアゲノム全長配列を解読することによって明らかになった条鰭類の進化の歴史に関する最新の成果を展示します。
 
 展示者本人による解説(ミュージアムトーク)を 11/18(土)に行います。

熱帯雨林下のプラント・オパール

   江口 誠一(環境教育研究科)

 地球を形作る物質のうち珪酸は、その半分以上を占めます。
 どこにでも豊富にある珪酸分を、地表の植物たちは、土から取り入れて生活しています。それらは葉など体内にためられ、落葉し分解された後も、しばらく細胞の形で土の一部となります。この小さな粒は、宝石のオパールと同じ性質で、プラント・オパール(植物珪酸体)と呼ばれています。
 プラント・オパールを使って、熱帯雨林の樹木をめぐる、珪酸の循環を考えてみました。

 展示者本人による解説(ミュージアムトーク)を  11/19(日)に行います。

●  博物館・動植物園・水族館の環境教育への取り組み

    林 浩二
生態学研究科

 
博物館全体の国際組織・世界博物館会議(ICOM)と、動物園と水族館の国際組織・世界動物園水族館協会(WAZA)および植物園の環境保全のための国際組織・植物園自然保護国際機構(BGCI)が、自然環境や生物多様性の保全とそのための教育をそれぞれどのように位置づけているのかを調べてみました。
ICOMでは不明確なのに対し、WAZAやBGCIでは環境保全とそのための教育を積極的に位置づけていることがわかりました。


 展示者本人による解説(ミュージアムトーク)を  11/26(日)に行います。


● 房総で最近採集されたおもしろい甲虫

    斉藤 明子
(資料管理研究科)

 千葉県には高い山はありませんが、房総丘陵は意外なほど山深く、また三方を海に囲まれているおかげで意外におもしろい昆虫が暮らしています。
 たとえば、海を渡って幕張の人工海浜に流れ着いたハマベゾウムシ、生態が謎に包まれたクチキクシヒゲムシなど、最近の調査で見つかったおもしろい甲虫類を紹介します。

 展示者本人による解説(ミュージアムトーク)を 12/2(土)に行います。

原始・古代の竪穴建物における空間利用−居間・寝間・台所−

    渡辺 修一
(歴史学研究科)
 
 原始・古代の代表的な住居形態である竪穴建物は、弥生時代に形式がほぼ定まりますが、近年の調査に基づいた研究によって室内の使い方(居間・寝間・台所といった間取り)がわかってきました。
 また,時代の流れとともに,台所空間・寝間空間などの配置が少しずつ変化していきます。
 千葉県や近県での調査事例をもとに、竪穴建物の変化のようすとその歴史的背景について紹介します。

 展示者本人による解説(ミュージアムトーク)を 12/10(日)に行います。
◆ 関連行事 ミュージアム・トーク
  ミュージアム・トークを行います. 各回とも当日受付です. 14:30〜15:00
・11/11(土) 雲南の地衣類 ―研究紹介と標本庫探検― 原田

・11/18(土) 深海魚の進化を標本庫で見てみよう   正樹

・11/19(日) 熱帯雨林下のプラント・オパール 江口 誠一

・11/26(日) 博物館の環境教育への取り組み  浩二

・12/ 2(土) 房総で最近採集されたおもしろい甲虫  斉藤 明子

・12/10(日) 原始・古代の竪穴建物における空間利用―居間・寝間・台所―  渡辺 修一
《 開催概要 》

期間   :平成18年 11月11日(土)〜12月27日(水)
休館   :毎週月曜

開館時間:9:00から16: 30 (入館は16:00まで)

会場  千葉県立中央博物館

《 中央博物館 》
〒260-8682,千葉市中央区青葉町955-2 
電話:043-265-3111
ファクシミリ:043-266-3921
http://www.chiba-muse.or.jp/NATURAL/
《 交通案内 》  くわしい交通案内はこちらへ
○電車・バスをご利用の場合
その1 
千葉駅(JR総武線・京成線)から
東口7番乗り場から、京成バス「大学病院」「大学病院・南矢作」行きで約15分.バス停「中央博物館」下車,徒歩7分.

東口2番乗り場から、千葉中央バス「中央博物館」行きで約20分.終点のバス停「博物館・文化ホール」下車,徒歩約1分.
その2 
蘇我駅(JR京葉線・内房線・外房線)から
・東口2番乗り場から、小湊鐵道バス・千葉中央バス「大学病院」行きで約15分.バス停「中央博物館」下車,徒歩7分
その3
千葉寺駅(京成千原線)から
・徒歩約20分.(蘇我駅からのバスが千葉寺駅を経由します)
○車をご利用の場合
京葉道路「松ヶ丘インターチェンジ」から約5分です.中央博物館は「県立青葉の森公園」の中にあります.自動車でお越しの方は「市立青葉病院」方面の「青葉の森公園北口駐車場」をめざしてください.
《 問い合わせ 》
千葉県立中央博物館 〒260-8682,千葉市中央区青葉町955-2 
電話:043-265-3111 ファクシミリ:043-266-2481
http://www.chiba-muse.or.jp/NATURAL/