企画展 千葉県立中央博物館

あっ!ハチがいる!
−世界のハチとハチの巣とハチの生活 −

会期:平成16年7月3日(土)〜8月31日(火)
会場:本館企画展示室・かかわり展示室内ホール ほか
 
 みなさんはハチが好きですか?「ハチは刺されると痛いし,ときには命にさえかかわることがあるから嫌いだ!」というお返事が聞こえてきそうです.
 確かに人間に害のあるハチもいます.しかしこれらはハチ全体からみればごく一部で,大部分の種は人に害をもたらしません.そして中にはミツバチのように人々にとって有用なハチもいますし,その他にも直接的あるいは間接的に人間にとって有用なものも多いのです.
 ハチは大変種類が多くその生態は多様です.そしてハチたちが作る巣も変化に富んでいます.社会生活をする蜂の中には極めて巨大な巣を作るものがいます.一匹で,あるいは数匹で,大きくはありませんが,精巧で美しい巣を作るものもいます.他方,ハチの刺傷による事故が多いのも事実です.
 本企画展では,世界のハチとハチの巣を,わが国ではこれまで紹介されたことのない標本資料を含めて紹介します.また,多種多様のハチの生態や人間とのかかわりについても紹介します.さらに,生きたハチの巣も展示します.
 みなさんの知らなかったハチに関する話題が満載です.ハチが好き,という方はもちろん,嫌いな方もぜひ見に来てください.きっとハチに対する考え方が変わることでしょう.

ニホンミツバチとキンリョウヘン

  ニホンミツバチとキンリョウヘン(イラスト:馬渕詳子)

  ◆サイトマップ
●展示の構成と見どころ ●展示解説書のご案内
●展示の解説 ●ミュージアムショップのご案内
●関連講演会 ●軽食喫茶のご案内
●関連講座 ●入館料について
●関連イベント ●企画展期間中の休館日
  ●交通案内

●展示の構成と見どころ
(企画展示室)
●自然界の建築家たち
 巨大な巣から極めて精巧な巣まで,多様なハチの巣を実物標本によって紹介します.中でも,マレーシア産ツマグロスズメバチの巨大な巣は見ものです.また,ハリナシバチ,オオミツバチ,コミツバチ,ブラジル産のアシナガバチの仲間の巣など,日本で初公開となるものが多数含まれています.
V.affinisの巨大な巣
 ツマグロスズメバチの巨大な巣
●巣を作らないハチ
 ハチは巣を作らない種類のほうが圧倒的に多いのです.これらのハチを成虫の標本や生態写真で紹介します.
●美を競うハチ
 金属光沢をもつハチ,美しい長毛に覆われたハチ,体の表面に複雑な突起をもつハチなど,見た目に美しいハチたちを紹介します.
シタバチの一種
 シタバチの一種
オオセイボウ
 オオセイボウ
●3人のハチ研究の先覚者
 日本のハチ学を世界のトップレベルに導いた3人のハチ研究の先覚者(岩田久二雄,常木勝次,坂上昭一)の業績を,著書・標本・写真などにより紹介します.
●ハチとはなに?
 体長0.139ミリメートルの世界最小のハチ,体長 60ミリメートルの世界最大のハチを含め「ハチとはなにか」を昆虫学的にやさしく紹介します.
世界最小のハチ−ホソハネコバチの一種
 世界最小のハチ−ホソハネコバチの一種
世界最大のハチ−ベッコウバチの一種
 世界最大のハチ−ベッコウバチの一種
●ハチの生活
 世界で12万種以上(日本で4200種以上)知られるハチの生活を,幼虫の食べ物(餌)から
  植物を食べて育つハチ, 昆虫に寄生して育つハチ, 虫こぶの中で育つハチ,
  クモや昆虫を食べて育つハチ, 花の蜜と花粉を食べて育つハチ
 の5つに分けて紹介します.
●集まって暮らすハチ
 ミツバチやスズメバチなどの社会性ハチ類の生活を,フタモンアシナガバチを例にしてやさしく解説します.
フタモンアシナガバチの生活史
 フタモンアシナガバチの生活史
●ハチの針と毒
 一般の人々の最も強い関心事であると思われる“刺す”ことに関連する2つの事項−針と毒−について科学的に解説します.
●ハチと人間−人間にとって有益なハチ
 ミツバチをはじめ人間に直接的に役立っているハチはもちろんのこと,様々な形で人間に関わっているハチについても紹介します.とくにハチミツについては,「世界のハチミツ」というコーナーを設け,重点を置いて紹介します.また,ハチミツを作るための道具や巣箱,ヘボ(クロスズメバチ)を育てる巣箱なども展示します.
世界のハチミツ
 世界のハチミツ

ハチを飼育するための道具や巣箱
 ハチを飼育するための道具や巣箱

●ハチと人間−人間にとって有害なハチ
 人間に対して大きな被害をもたらす「ハチ刺され」だけではなく,人間に対するマイナスの影響を紹介します.
●ハチと人間−仲良く暮らしていくには
 ハチは生態系の一員として,それぞれの生活を営んでいます.ハチを正しく理解することによって,その害を防ぐと共に,全てのハチとともに共存していくことの重要性を展示します.
●ハチを飼ってみよう,観察しよう
 ハチをよりよく理解するために,ハチの飼い方・観察法を紹介します.
アシナガバチの飼育ケース
 アシナガバチの飼育ケース
マルハナバチの飼育ケース
 マルハナバチの飼育ケース
 
(かかわり展示室内ホール)
●ハチの顔−八十八面相
 四方の壁面に88種のハチの顔の拡大写真を展示します.
ハチの顔−八十八面相
  ハチの顔−八十八面相
●ハチの巣に触ってみよう
 ふだん手に触れることがないと思われるスズメバチやアシナガバチの実物の巣に触れるコーナーです.
スズメバチとアシナガバチの巣
  スズメバチとアシナガバチの巣
●日本産アシナガバチ
 日本産アシナガバチ類12種のうち,代表的な9種の巣とハチの標本を展示します.
●絵になったハチたち
 ブラジルのハチ類研究者Camargo氏による南米産ハチの巣の緻密な彩色画や,馬渕詳子氏による解説書の挿し絵の原画を展示します.
 
(光庭・小動物展示室前)
●生きたハチの巣を見よう
 セイヨウミツバチ(光庭) やニホンミツバチ(小動物展示室前)が営巣している巣箱を展示しています.特にセイヨウミツバチでは巣の内部をガラス越しに見えるようにしてあり,多数のハチがさかんに活動している様子が身近に観察でき,迫力満点です.また,コガタスズメバチやコアシナガバチの巣も見られます.
セイヨウミツバチの巣箱
 セイヨウミツバチの巣箱
ニホンミツバチの巣箱
 ニホンミツバチの巣箱
 
体験コーナー(企画展示室前)
●スズメバチ防護服を着てみよう
 人家や公園などに作られたスズメバチの巣を除去するために開発された防護服を試着できます(協力:(株)ミツウマ).防護服を着て記念写真コーナー「キイロスズメバチの巣と写真を撮ろう!」でお手持ちのカメラで撮影すると,あなたが野外でスズメバチの巣を取っているような写真が撮れます.
スズメバチ防護服
 スズメバチ防護服
記念写真コーナー
 記念写真コーナー
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●展示の解説
 開催期間中,展示解説員によるミツバチ案内人による魅惑のハチガイドツアーや,展示担当研究職員によるミュージアムトーク「あっ!ハチがいる!」を開催します.

  ミツバチ案内人による魅惑のハチガイドツアー
 日時:午前11時から(毎日) 午後2時30分から(土曜日を除く毎日)
    各20分程度でご案内いたします.
 定員:特になし(事前申込みは不要です)
 この時間以外にも,ご希望があれば随時ご説明いたします.

  ミュージアムトーク「あっ!ハチがいる!」
 日時:毎土曜日(7月3日,10日,17日,31日,8月7日,14日,21日,28日)
    午後2時30分から3時まで
 定員:特になし(事前申込みは不要です)
 
 都合により中止になる場合もありますので,ご了承ください.
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●関連講演会
  対象:一般 場所:講堂 定員:各日200名 先着順
 講師の都合等により,日時が変更になったり中止になる場合もありますので,ご了承ください.

7月4日(日) 午後1時30分から2時30分まで
「オオスズメバチとニホンミツバチ」
 講師:小野正人(玉川大学)
 太古から日本に住むニホンミツバチは,強敵オオスズメバチの攻撃から逃れるさまざまな手段を持っています.オオスズメバチ対ニホンミツバチの壮絶な攻防を紹介します.

7月11日(日) 午後1時30分から2時30分まで
「ミツバチの飼育と利用」
 講師:吉田忠晴(玉川大学)
 世界中で養蜂されているセイヨウミツバチはハチミツを初め多くの恵みを私たちにもたらしています.養蜂の実際やミツバチの恵みについて紹介します.

7月18日(日) 午後1時30分から2時30分まで
「セイヨウオオマルハナバチの利用と問題点」
 講師:米田昌浩(株式会社アピ)
 近年ハウス栽培におけるナスやトマトの花粉媒介にセイヨウオオマルハナバチが利用されるようになりました.ヨーロッパ由来のこのハチの利用と問題点について紹介します.

7月25日(日) 午後2時30分から3時30分まで(今回のみ変更になっております・ご注意ください)
「タマバチ・植物・アリの三角関係」
 講師:阿部芳久(京都府立大学)
 ハコネナラタマバチの幼虫は植物のムシコブの中で育ちます.そして,このムシコブにはアリが集まります.タマバチ・ムシコブ・アリにはいったいどんな関係があるのでしょう.

8月1日(日) 午後1時30分から2時30分まで
「社会性カリバチの進化」
 講師:山根爽一(茨城大学)
 アシナガバチやスズメバチなどの社会生活はどのような道筋で進化したのでしょうか.1億年におよぶハチの歴史を探ります.

8月8日(日) 午後1時30分から2時30分まで
「オオスズメバチを飼う」
 講師:田迎真人(小松原高等学校)
 日本で毎年数十人の死者がでる最強の昆虫オオスズメバチ.このオオスズメバチをはじめ,スズメバチ類の巣を採り,飼育する方法をそれぞれのハチの生態を含め紹介します.

8月22日(日) 午後1時30分から2時30分まで
「クロスズメバチを採る・飼う・食べる」
 講師:西尾亮平(全国地蜂連合会顧問)
 岐阜県や長野県の一部には,クロスズメバチの巣を採り,幼虫を食べる習慣があります.ハチの巣採りの文化,並びにこのハチの増殖への取り組を紹介します.
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●関連講座  講座申込方法はこちらへ
8月15日(日)・29日(日)
「ペーパークラフトでハチを作ろう」
 講師:宮野伸也(当館動物学研究科)
 最強の昆虫オオスズメバチをペーパークラフトで作ります.カッターナイフを使いますし,細かな作業が多いので,親子でご参加ください.
  各日午後1時30分から2時30分まで 対象:親子(小学生以上) 定員:各15組 要事前申込
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●関連イベント
8月14日(土)
「今日からきみもハチ博士!女王バチ杯争奪!○×クイズ大会」
 あなたのハチに対する知識と愛情が試される!
 見事勝ち抜き,女王バチの栄冠に輝く優勝者には,豪華賞品と女王冠が授与されます!
 参加者全員には素敵な絵葉書を差し上げますよ.どなたでも参加できます.
 さあ,あなたもハチ博士に!
 場所:第2ホール(1階) 午後1時45分 受付開始 2時 クイズ開始
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●展示解説書のご案内
本企画展の展示解説書として,「あっ! ハチがいる! 世界のハチとハチの巣とハチの生活」が出版されました.
 世界中の巨大なハチの巣や華麗なハチの巣,ハチの生活について大変やさしく解説されています.また,日本の第一線のハチ類研究者による最新の研究成果に関するコラムや,ハチの調べ方や飼い方,さらには図解検索表まで載っていて,格好のハチ学入門書となっています.
 当館ミュージアムショップでお求めいただけるほか,全国の書店でも取り扱っています.

あ! ハチがいる! 世界のハチとハチの巣とハチの生活
  千葉県立中央博物館(監修)「あっ! ハチがいる! 世界のハチとハチの巣とハチの生活」
 2004年7月 晶文社出版 刊 ISBN4-7949-7610-0 定価1,680円(税込み)
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●ミュージアムショップのご案内
●ハチミツの販売
 本企画展に世界のハチミツを提供下さったはちみつ専門店ラベイユのご協力により,企画展期間中世界のハチミツ8種類を販売しております.千葉県内で手に入るのはここだけです.ぜひご利用ください.
●講演会関連書籍の販売
 企画展展示解説書のほかにも,関連講演会の講師の方々が書かれたものを含め,以下のハチに関する書籍を販売しております.この中には一般書店では入手しづらいものも含まれています(敬称略,五十音順).
小野正人 「スズメバチの科学」 「マルハナバチハンドブック」(鷲谷いずみ他と共著)
佐々木正巳 「ニホンミツバチ」
清水美智子 「はちみつ キレイをつくる74の魔法」
西尾亮平 「ヘボ(地蜂)騒動記」
松浦 誠 「スズメバチはなぜ刺すか」 「スズメバチを食べる」
山根爽一 「アシナガバチ一億年のドラマ」 「フタモンアシナガバチ」
吉田忠晴 「ニホンミツバチの飼育法と生態」
●蜜ろうの手作りキャンドルキットの販売
 ミツバチが体内で作る蜜ろうを使った手作りキャンドルキットを,企画展期間中取り扱います.すでにキャンドルになっているものも販売しております.

 他にもオリジナル絵はがきをはじめ,自然誌歴史関連書籍や標本類,ぬいぐるみやマスコット等,多数取りそろえておりますので,企画展を見学された折にはぜひお立ち寄りください.
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●軽食喫茶のご案内
 館内の軽食喫茶「あおば」では,本企画展の開催にあわせ, ハチミツ付きのホットケーキをお出ししております.ミュージアムショップでも販売しているハチミツ「りんご」「コーヒー」のいずれかをお選びいただけます.一日限定20食ですので,お早めに!
ホットコーヒーとのセット 500円
アイスコーヒーとのセット 530円
ホットケーキのみ(単品) 350円
 なお,この他にも軽食,各種お飲物をご用意して皆様のお越しをお待ちしております.
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●入館料について
※企画展示開催中は,通常大人300円・高大学生150円の入館料が,大人500円・高大学生250円となります.
入館料に関する詳細はこちらへ
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●企画展期間中の休館日
企画展示開催中の休館日は,7月5日(月),12日(月),20日(火),22日(木),23日(金),24日(土)となります.
夏休み期間中の開館日・閉館日・開館時間の延長(生態園のみ)に関する詳細はこちらへ
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●交通案内  くわしい交通案内はこちらへ
電車・バスをご利用の場合
千葉駅(JR線・京成線)から
東口7番乗り場 京成バス「大学病院」「大学病院・南矢作」・ちばシティバス「川戸」行き約13分.バス停「中央博物館」下車,徒歩約7分.
東口2番乗り場 千葉中央バス「中央博物館」行き約15分.バス停「博物館・文化ホール」(終点)下車,徒歩約2分.
蘇我駅(JR京葉線・内房線・外房線)から
東口2番乗り場 小湊鐵道バス・千葉中央バス「大学病院」行き約10分.バス停「中央博物館」下車,徒歩約7分.
千葉寺駅(京成千原線)から
徒歩約15分.
小湊鐵道バス・千葉中央バス「大学病院」行き約5分.バス停「中央博物館」下車,徒歩約7分.
車をご利用の場合
京葉道路「松ヶ丘」出口から約5分.
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問い合わせ先:千葉県立中央博物館 動物学研究科  
〒260-8682 千葉市中央区青葉町 955-2  
電話:043-265-3111(館代表),FAX:043-266-2481  

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