干支(えと)にちなむ貝−子年−
2008年1月5日(土)〜31日(木)(終了しました)
第1ホール(入場券売り場前の広間)階段側

 これまで、8年間、干支にちなんだ名前をもつ貝類を紹介してきました。今年の干支は子(ネズミ)です。当館の二宮コレクションや品川コレクションなどの中から、ネズミに関係する名前の貝を紹介します。ネズミにちなんだ名前を持つ貝は、主にその形や色から名付けられています。
1.ネズミガイ(鼠貝)
Manmmilla simiae 千葉県産
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 丸い殻形と灰褐色の斑紋をもつことから、ネズミガイと名付けられたようです。千葉県を分布の北限として、熱帯地方にすんでいます。千葉では、それ程多くなく、生きた個体を得ることはめったにありません。
2.ハツカネズミ(二十日鼠)
Macromphalus tornatilis 徳島県産
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 ネズミガイに殻の形が少し似ていて、さらに小さいことから、名付けられたようです。もちろん、この標本で大人です。房総半島から九州の主に内湾から報告されていますが、千葉県では極めて少ない種です。
3.ネズミノテ(鼠の手)
Plicatula simplex 高知県産
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 確かに良く見ると、ネズミの手の形をした二枚貝です。房総半島から九州の浅い砂底に、まとまってすんでいます。よく似た仲間に、もっと平たくて、殻に棘のでるモグラノテという種もあります。
4.ネズミイモとハイイロミナシ(鼠芋/灰色身無)
Conus mus 北アメリカ産  Conus rattus 小笠原産
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 イモガイの仲間で、両種とも学名(万国共通の名前:アルファベットで示したところ)の種小名(右側の小文字の部分)が、mus(mouse:ハツカネズミ)とrattus(rat:クマネズミ)とネズミにちなんでいます。
5.ネズミダカラ(鼠宝)
Cypraea mus ベネズエラ産
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 やはり、種小名に mus がついている貝です。表面がツヤツヤしているのは、貝が自分でニスのような透明な層を分泌したためです。
6.ネズミイロタマゴガイ(鼠色卵貝)
Marginella bernardi 台湾産
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 その名の通りの色彩です。タカラガイと同じく透明な層を持つ貝ですが、まったくグループが異なります。この貝には、同じくその色彩からタソガレトリノコガイの名前もあります。卵=鳥の子という連想で名付けられています。
(2008.1. 動物学研究科/黒住耐二)