バラのすべて

ドーム兄弟「薔薇文高脚杯」

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 千葉県立中央博物館の特別展「バラのすべて」へようこそ!

 この会場には、数多くの貴重なバラの資料を展示しています。音声ガイドではさらに深く、バラの魅力をお楽しみください。

 まず皆様をお迎えするのは、アール・ヌーヴォーのガラス工芸作品、ドーム兄弟の「薔薇文高脚杯(ばらもんこうきゃくはい)」です。

 「ドーム兄弟」は、アール・ヌーヴォーの巨匠エミール・ガレと並び称されるフランスのガラス工芸家です。この作品、「薔薇文高脚杯」に描かれているバラは、フランスの野ばら、ロサ・アルウェンシスだと思われます。ハート型にくぼんだ白い花弁、勢いよく伸びる枝、赤い刺の鋭い形など、どれもがロサ・アルウェンシスの特徴をよく表しています。写実性と高い芸術性を兼ね備え、植物の意匠(いしょう)に秀でたドーム兄弟ならではの作品です。

 資料ラベルに「ドーム家旧蔵」とある通り、この作品は世に出ることなくドーム家で大切に保存されていました。1982年に秘蔵のコレクションが売りに出され、北澤美術館の所蔵となりました。庭園を彩る豪華なバラではなく、野に咲くバラを描いたドーム兄弟の感性に心を打たれます。

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