バラのすべて

江戸時代のバラ

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 江戸時代の日本では、キクやアサガオなどさまざまな植物の栽培が流行しましたが、当時の園芸植物としてバラが取り上げられることはほとんどありません。しかし、浮世絵などにさまざまなバラが描かれているようすを見ると、バラも身近に栽培されていたことがうかがわれます。

 江戸時代に描かれたバラの多くは中国から来たバラでした。コウシンバラは八重咲きで赤、赤紫、ピンク、まれに白花もありました。江戸時代の人々は、春だけでなく秋にも、時には冬の寒さの中でさえ何度も繰り返し鮮やかな花を咲かせるコウシンバラに、日本の花にはない生命力を感じていたかもしれません。

 コウシンバラに似て花が大きく「ぼたんばら」などと呼ばれたバラは、現在のティーローズの仲間のようです。中国からきた園芸品種としてはそのほかに、イザヨイバラ、モッコウバラ、マイカイなどがあります。マイカイはハマナスに近い中国の園芸品種ですが、ハマナスそのものがマイカイの名で描かれていることもあります。

 ナニワイバラは中国の野ばらですが、実が薬として用いられたので早くから渡来し、栽培されていました。ナニワイバラとコウシンバラの雑種、ハトヤバラも栽培されていました。数は少ないですが、ノイバラ、テリハノイバラなど日本の野ばらも描かれています。

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