資料収集,整理保存事業
 

Ⅰ.様々な標本______________

 

もくじ

Ⅰ.様々な標本

Ⅱ.地衣類標本庫の運営

Ⅲ.地衣類標本の作製

●1.タイプ標本

新種を発表するときは,基準とする標本をタイプ標本として指定することと,それを保管する標本庫を指定することが国際的に義務付けられています.その種の基準となる世界でたった一つの標本ですから,国際的にとても重要な資料です.

◆◆収蔵するタイプ標本のいろいろ
★2018年末時点で,97種の地衣類のタイプ標本があります.主に,館の調査研究事業により新種発表されたものです.
★館外の研究者により発表された新種のタイプ標本.2018年12月に発表された,ササフンカゴケAsterothyrium sasae Y.SutoとミドリクボミサラゴケGyalectidium shimanense Y.Sutoのタイプ標本が,周藤靖雄さんから提供されました.
001
013

プセウドカロパディア チバエンシス

Pseudocalopadia chibaensis

のタイプ標本

キヨスミカワキノリ

Leptogium kiyosumiense

のタイプ標本

 
 

●2.千葉県産標本

「房総の地衣類誌」の調査によって収集する標本です.2019年2月時点で約1万5千点の千葉県産標本を収蔵しています.標本は,県内のどこに,どの地衣類が,いつあったかを示す,決定的な証拠となります.何十年後かに振り返った時,これらの標本は,当時の自然環境の一部を示すとても貴重な資料になっていくことでしょう.

◆◆主な標本
★【主な産地】東京大学千葉演習林(鴨川市・君津市)(4000点以上)

★【市町村別】君津市(4,500点),鴨川市(2,105),富津市(1,341),市原市(820),松戸市(559),八街市(541),千葉市(538),南房総市(499),銚子市(382),鋸南町(360),白井市(324),東金市(286),いすみ市(235),袖ケ浦市(229),館山市(222)・・・

 

●3.県外産標本

千葉県の標本と比較したり,県外のものを調べたり,疑問に答えるために整備している標本です.調査研究事業「地衣類の分類・多様性に関する研究」により収集し研究した標本も含まれます.

◆◆特徴的な標本群

★当館が実施した北マリアナ調査により収集した標本

★中国雲南省産の標本等.文部科学省(あるいは日本学術振興会)の科学研究費補助金(科研費)により,原田浩が収集した標本など.
★【特徴的な分類群】アナイボゴケ科,マルゴケ属(岩上生,樹皮着生),マンジュウゴケ属(岩上生)(以上は原田浩の研究テーマ).リトマスゴケ科(坂田歩美の研究テーマ).(いずれも千葉県産標本にも多数あります)
★【特殊な生態・環境の地衣類】海岸生地衣類,淡水生地衣類
 

●4.標本点数

2019年2月5日時点の点数です.未整理標本も含まれています.

◆◆合計点数
千葉県産15,224点,県外産34,428点,合計49,652点
◆◆主な標本

★【採集者別】原田浩(30,238点),坂田歩美(5,700),川名興(3,054),吉川裕子(2,206),泉宏子(1,999),木下靖浩(1,486),松崎務(834)

★【都道府県別】千葉県(15,224点),栃木県(4,207),長野県(3,745),北海道(3,362)・・・