はじめに



中村

 いま、千葉県では市民、企業、行政のパートナーシップによる環境保全を推進する動きがあります。1995年に環境団体をつなげるネットワーク組織である環境パートナーシップちばが設立されています。価値観を共有する機会を重ねて、多くの人たちとの信頼関係を築いていきたいと思っています。

小川
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 今日のスケジュールは、13時30分から16時20分まで、5人の方々にお話をいただく予定になっています。会場の外には5つのグループの展示も行っています。どうか演者の方々は展示の説明係になって頂けるとありがたいと思っています。

パートナーシップとはなんでしょうか?
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 広辞苑で調べてみましたら、共同の仕事をする仲間、シップとは協力関係と出ていました。手元にあった広辞苑には、"協働"という言葉はありませんでした。
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 1977年に出されたトリビシ宣言には、12の原則がありまして、これが環境教育の規範になっています。その6番目に「環境問題の解決および予防のためには地域,国,国際的な協力が重要でかつまた必要であることを伝え,協力を奨励する(Promote the value and necessity of local, national, and international cooperation in solving and preventing environmental problems)」というのがあります。

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 ネズミは猫に食べられていました。自分たちが食べられないように、猫に鈴をつけようという解決方法を見つけました。命を賭けたリスクを背負って、誰が鈴をつけるのか? 誰もリスクを背負いたくない。個人として、猫に鈴をつけに行きたくはない。そして、結局はみんな食べられてしまいます。

 この話は山岸さんのスライド"社会的ジレンマ"という本に出ています。ネズミの行動は当たり前の合理的な判断です。
 いま、日本の豊かな生活を少しだけ我慢しましょうという考えがあります。しかし、他の人は車に乗っているのに、どうして自分は乗ってはいけないのか。個人の利便と社会的な問題の解決方法がジレンマとなっています。ジレンマを解く解決方法の一つがパートナーシップではないでしょうか? ですが、わかっているのに、解決方法がずっと遠くのところにあるように思えるのはなぜでしょうか。共通のジレンマを解決する方法として、いま、トリビシ宣言にある"協力"を考えたいと思っています。
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では、加藤さんからお話をお願いします。