謎の中毒例
未知のきのこ毒で
死亡することもある!!

毒きのこは何故毒だとわかるのですか,という質問をうける事が多いのですが,そのような事実は,下記の例のように偶然の事故により知られるようになったものが多いのです.
ヒトに近縁な動物の実験によっても研究されていますが,実際ヒトが摂取しないと,不明な場合も多いのです.毒と判明したきのこでも,毒成分がいまだに特定されていない場合も非常に多いのです.
 変わったところでは カエンタケ という子嚢菌類のきのこによる中毒が新たに判明しています.「中毒を起こしたS氏は山梨県在住,47歳の男性.平成3年(1991)10月26日に,このきのこ数センチをてんぷらにして食べたところ,数日後40度以上の熱が出て,その後髪の毛が抜け,運動機能に障害がでた.
カエンタケ 1982.9.10,沖縄県八重山郡西表島,相良川
オキナワウラジロガシの近くに発生していたもの
高さ5センチ前後の真っ赤なキノコで子嚢菌の仲間
医師の診断によると 小脳が萎縮しているそうである.平成4年10月に根田氏が会ったところ,髪の毛は伸びていたが,歩行・言語にまだ障害が残っているようであったという.」
 約10年前にも山形県で中毒事故が発生したということで,子嚢菌の専門家である,科学博物館の土居祥兌先生により雑誌に紹介がなされました.
 この2つの中毒に共通することは,運動障害と言語機能障害が見られることで,しばらくは後遺症が残るが,時間と共にその症状は軽くなったようです.原因成分は不明で,またなかなか採集されないきのこであることから,この菌の毒成分もまだ不明のままです.
 また,1999年に本菌を食べて死亡するという事故も報道されている.

 きのこtopへ  毒成分topへ