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  総州真景図藁 (そうしゅうしんけいずこう) 
<解説>
   制作 江戸時代後期
   縦27.2cm  横18.9cm
   丁数 10丁(表紙・裏表紙を除く)
亜欧堂田善(あおうどうでんぜん) 作

 亜欧堂田善(1748年<寛延元年>〜1822年<文政5年>)は、谷文晁(たにぶんちょう)の弟子で、松平定信の御用絵師として活躍しました。
 また、司馬江漢(しばこうかん)をまねて、風景銅版画も制作しました。
 右の「総州真景図藁」は、下総国や常陸国の名所・風景を描いた洋風の肉筆画です。
 見開き2ページで1枚の絵が描かれ、全部で9枚あり
最後の1枚は墨書のみで着色されていません。
それらのうち、一部をこれから掲載します。
 江戸時代には珍しい洋風の絵画をじっくりとお楽しみください。
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   筑波山の全景

 筑波山は、現在の茨城県筑波郡筑波町と同県真壁郡真壁町の境界に位置する山で、山頂は断層によって男体(約870m)と女体(約876m)の2峰に分かれています。
 古くから信仰の山として知られ、関東一円に広い信仰圏を持っています。
 男体山頂に筑波男大神、女体山頂に筑波女大神が祀られ、山の中腹には、この筑波山神社(江戸時代には筑波権現と呼ばれました)の拝殿がありました。
 画面中央下の朱色の建物が拝殿です。
 

   香取神宮の遠景

 香取神宮は、現在の佐原市に位置し、下総国の一宮(いちのみや)です。
 次の鹿島神宮と並ぶ武神(軍神)です。
 利根川に近い台地上にあり、画面中央の朱色の建物群が神宮です。
 右手下の鳥居は利根川の水中にあり、ここは津宮(つのみや)河岸という利根川の川舟の発着場所でした。
 

   鹿嶋神宮の遠景

 
 鹿島神宮は、現在の茨城県鹿島郡鹿島町に位置し、常陸国の一宮です。
 画面の中央左手の台地上の建物群が神宮です。手前の水面は、北浦(波逆(なさか)浦)です。
 水中に鳥居を持つ集落は大舟津で、利根川から北浦へと川舟でやってくる参詣者の上陸地でした。
 ここから徒歩で神宮をめざしたのです。
 
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