No.1(地学ー1) 中央博資料百選  

  千葉石  

 千葉県南房総市で産出した鉱物が、2011年 2月に新鉱物「chibaite(千葉石)」として認められました。千葉県での新鉱物の発見は初めてで、それにちなんで、命名されました。
 千葉石はとても風変わりな鉱物です。成分は水晶(石英)と同じ二酸化ケイ素(シリカ)[SiO2]ですが、それらがカゴ状の結晶構造をつくり、その'カゴ'の中にメタン、エタンなどの炭化水素ガス分子が1個ずつ含まれるのです(シリカ包摂化合物)。そのために、水晶とはまったく異なる外形を示します。
 ここの結晶構造は、最近、次世代のエネルギー資源として注目されている海底の天然ガスハイドレート(水[H2O]分子がカゴ状の結晶構造をつくり、そのカゴにメタンガスが含まれる)と同じであり、その関連性が注目されます。

千葉石結晶(CBM-GR6545)
千葉石結晶(CBM-GR6545)

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