No.107(大多喜城ー7) 中央博資料百選  

  紺糸威仏胴具足(こんいとおどしほとけどうぐそく)  

 大多喜城主松平氏が所用した甲冑のうちの一領で、江戸時代中後期から流行した復古調の華麗な甲冑です。兜(かぶと)は六十二間鉄錆地小星兜(ろくじゅうにけんてつさびじこぼしかぶと)で、立物(たちもの)は、鍬形(くわがた)と「三つ反り扇紋」がついています。また、兜鉢(かぶとばち)の裏側には甲冑師銘「早乙女家貞(さおとめいえさだ)」の刻銘があります。胴は、黒漆塗仏胴(くろうるしぬりほとけどう)で、この名称は仏像の胸部のように継ぎ目のない形体からきているといわれています。本資料は、明治維新後、最後の藩主大河内(松平)正質(まさただ)が士族会「同親社(どうしんしゃ)」に贈り、後に同親社から大多喜町へ寄贈されたものです。

紺糸威仏胴具足
紺糸威仏胴具足

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