No.239 2005/02/03(木)

 ヒメアカタテハその後


dummy    1月7日を最後に、ヒメアカタテハの成虫はぱったりとみられなくなった。『原色日本蝶類生態図鑑II(保育社)』によると、はっきりした休眠性のないこのチョウは真冬でも温度条件次第では羽化するが、千葉県では成虫越冬することはないのだそうだ。やはり先月みた成虫は寒さで死んでしまったに違いない。 日当たりの良い斜面 dummy
dummy    幼虫を探してみた。陽当たりのよい南向きの土手のヨモギをよくみると、葉を巻いて糸でつづった巣がみつかった。中には2センチほどの黒い毛虫。これがヒメアカタテハの幼虫だ。近くには5ミリくらいの1齢ないし2齢と思われる幼虫もいた。冬の間も少しずつ成長するらしい。 葉を巻いて糸でつづった巣 dummy
dummy    真冬に休眠しないというこのチョウの性質は興味深い。毎年観察していれば気候の変化に対する反応がわかるかも知れない。

(尾崎煙雄)

ヒメアカタテハの幼虫 dummy
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 ヒメアカタテハ Cynthia cardui(タテハチョウ科)

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