No.413 2006/09/22(金)

 ツユクサの花


dummy    山みちでツユクサの花が目につく季節になった。ツユクサは田んぼのあぜや草むらに普通に生え、花期は長く6月頃から10月に及ぶ。しかし、山みちでこの花を見かけるのは秋だ。
   青い花弁をバックに、黄色い「π」字型のおしべが目立つ。正確にいうと、黄色い部分はおしべの先端で葯(やく)と呼ばれる。ところが、この目立つおしべは「仮おしべ」といって花粉は出さない。花粉を着け、繁殖の役割を担っているのは花の下の方から伸びている2本の地味なおしべである。
   ちょうど、花にコシボソハナアブの1種が訪れていた。体長1センチほどで、ハチのように「腰」のくびれたハナアブである。ツユクサは蜜を出さないので、きっと花粉を食べに来たのだ。
(尾崎煙雄)
dummy
dummy ツユクサの花 dummy
dummy

 ツユクサ Commelina communis(ツユクサ科)

 コシボソハナアブの1種 Baccha sp.(ハナアブ科)

dummy


 ニュース一覧へもどる