No.455 2007/04/20(金)

 ガリー浸食


dummy    鹿野山の北斜面で奇妙な「谷」をみつけた。ゆるやかな斜面に深さ1メートル強、幅3メートルほどの谷が刻まれている。傷跡のように痛々しい。水は流れていないが、底にたまった砂には水流の痕跡がみてとれる。写真の人物が指し示しているのは、谷の中に立っているスギの木のもともとの根元の位置。このスギが植えられた後に地面がこれだけ削られたとみられる。つまり、ごく短い期間でこの谷ができたことを意味している。どうやら「ガリー浸食」のようだ。地表を流れる雨水が地面を削ってできた溝にさらに水が集中してどんどん溝が深くなる現象で、火山灰の堆積地などでみられる。この谷にも雨が降ると水が流れるのであろう。鹿野山はその大半が固結度の低い砂岩でできた「砂山」なので、もともと浸食を受けやすいとは思われる。しかし、地元の人に聞くと、このような「谷」は昔はみなかったという。まだ原因を特定することはできないが、何かが以前とは違ってきたということだろう。気になる光景である。
(尾崎煙雄)
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