No.662 2009/03/29(日)

 イボタガ


dummy  君津市清和地区・秋元城址近くに在住の野村さんからの投稿写真。
 野村さん「我が家のサッシに蛾が居た。鮮やかな柄! 羽化したばかり?」
 これはイボタガ。イボタガこそ日本で一番美しいガである。と、ぼくは思う。この模様をじっくり見てほしい。黒く太い線によっていくつかの断片にくっきりと区切られ、それぞれが波打つ縞模様や小さな蛇の目が並んだ水玉模様で埋められている。そして前翅後縁の中央部には大きな目玉模様。地味な色合いに見えるが、黒とうぐいす色とあずき色の微妙な配色にはみごとな統一感がある。まるでコラージュアートのようだ。いや、むしろ芸術家がこれをまねただけ、といった方がよいかもしれない。
 蛹で越冬し春に羽化するやや大型のガで、翅を広げると幅10センチほどになる。幼虫はイボタノキやヒイラギなどのモクセイ科の樹木を食べるので、この名がある。
 (尾崎煙雄)
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 イボタガ Brahmaea japonica(イボタガ科)

 イボタノキ Ligustrum obtusifolium(モクセイ科)

 ヒイラギ Osmanthus heterophyllus(モクセイ科)

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