No.746 2009/08/20(木)

 ツクツクボウシタケ


dummy  ヒメコマツの調査のために元清澄山へ。林の中の地面でツクツクボウシタケをみつけた(写真1)。不規則に曲がった柄がいくつかに枝分かれして、その先端部が白く粉を吹いている。高さは4センチほど。これだけみても何だかわからないかもしれないが、掘ってみればその正体が知れる(写真2)。地面の下5センチくらいの所にいるツクツクボウシの幼虫からキノコが生えている。幼虫の身体も白く菌糸で覆われている。幼虫はすでに死んでいて、その養分を使ってこのキノコが育ったのだ。このように虫に寄生するキノコの類を「冬虫夏草(とうちゅかそう)」と呼ぶ。昔、チベットの人が冬は虫なのに夏になると植物になる生物と考えたのだ。寄生される虫の身になって考えると怖ろしい気がする。しかし、なんとも魅力的な生物だ。
 (尾崎煙雄)
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写真1
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写真2
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 ツクツクボウシタケ Isaria sinclairii(バッカクキン科)

 ツクツクボウシ Meimuna opalifera(セミ科)

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