No.778 2009/11/18(水)

 ヒガンバナの葉


dummy  蔵玉小学校の近くの畑の土手。草の葉がこんもりと塊を作っている。一見、ニラの葉を少し丈夫にしたような形。これはヒガンバナの葉だ。秋のお彼岸に咲くヒガンバナの赤い花が好きな人も、「ヒガンバナの葉を見たことがありますか?」と訊かれると、はたと困ってしまうのではないだろうか。無理もない。この植物は少し変わっていて、花の時期には葉がまったくない。花が咲き終わると、ヒバンバナはいったん地上から姿を消す。秋も深まり、人々がヒガンバナのことを忘れたころ、何もなくなった地面からにょきにょき伸びてくるのがこの葉なのだ。ヒガンバナは秋から春にかけて葉を繁らせ、夏には枯れる。このような植物の性質を「冬緑性」という。そしてお彼岸のころ、忽然と燃えるような花が現れる。私たちに強い印象を与えるヒガンバナの花にはこんな演出があったのだ。
 (尾崎煙雄)
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 ヒガンバナ Lycoris radiata(ヒガンバナ科)

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