No.946 2011/06/03(金)

 化石と古銭


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 君津市大井で化石の調査をしている時のこと、切り通しの表土が崩れたところで、寛永通宝を拾った。詳しい人に見てもらったところ「秋田銭」というもので、元文年間(18世紀前半)のものらしい。付近にお墓は見あたらなかったが、亡くなった人に持たせる六道銭(六文銭)かもしれないと言うことだった。その後、三島神社の境内でも、砂利に含まれる化石を探していたら寛永通宝を見つけた。こちらは「古寛永」と呼ばれる中の、「鳥越銭」という種類(17世紀中ごろ)らしい。
 寛永通宝なんて実家の蔵にたくさんあったよ、と言う人もいるかもしれないが、私自身は、化石をさがしていてこのような古銭を拾ったのは初めてのことだ。歴史のある土地柄ならではかもしれない。化石が示す何十万年も昔の年代とまた違った、古き時代の落とし物に少しだけ胸が高鳴った。
 (加藤久佳)

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左:鳥越銭、右:秋田銭

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