No.1034 2012/06/21(木)

 アブラギリ


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 房総丘陵ではアブラギリの花が満開だ(写真1)。20センチもある大きな葉が特徴で、道路脇などの開けた場所によく群生している。純白の5弁の花も大きく、直径3センチくらい。ハチが何種類か訪れていた。1本の木に雄花と雌花が咲く。この日みたのはすべて雄花だった。花の中心が黄色いのが新鮮な花で、やや時間が経つと赤味を帯びる(写真2)。雌花は見つからず、そのかわりに若い果実があった(写真3)。雌花の方が早く終わってしまうのだろうか。
 以前、南房総ではアブラギリが多く栽培され、種子から桐油を採取して油紙や塗料の原料として使ったそうだ。地元の言葉でこの木を「どけ」と呼ぶと教えていただいた。この油は食用には適さないため毒荏(どくえ)とも呼ばれる。「どくえ」が短縮して「どけ」になったのだろう。「荏」はシソ科草本のエゴマのことで、この種子から取る油は食用になる。
 (尾崎煙雄)

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写真1
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写真2
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写真3
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 アブラギリ Vernicia cordata(トウダイグサ科)

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