九十九里町の公園で捕虫網を持って歩いていると、公園遊びをしていた子ども達の保護者が私のところへやってきて、
『あの…。ハチがいるのですが…』
と声をかけてきた。現場へ行ってみると、ベンチから5mほど離れた樹木の葉にアシナガバチの仲間が多数集まっていた。かれこれ1週間以上この状態だと、公園にいた保護者の方たちは私に話してくれた。
私が近づいても威嚇しないので、さらに近づいて写真を撮ってみたが、気にも留めていないようだった。後日、写真を当館のハチの専門家に見せたところ、キアシナガバチのオス達が集まっているとのことだった。オスなので刺すことはないが、万が一、写真には見えていないだけでメスがいる場合もあるから刺激をしない方が良いとのアドバイスをいただいた。そのうち寒くなったらいなくなるとのことだ。
早速、このことを公園で伝えた。保護者の方たちは私が駆除してくれるものと期待していたようだが、寒くなるまでハチをじっと観察して欲しいと伝えた。ハチにも色々な性格を持つものがいるのを知る良い機会になったと思う。
(大木淳一) |