No.1093 2012/12/14(金)

 ベイン構造


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 清和県民の森の南、小糸川の最上流部を歩いていたら、見慣れない縞々模様の石が転がっていた。幅5mm弱の等間隔の縞模様がはいった泥岩だ。縞模様は石の端から端まであるわけではなく、両側とも途中で消えているので、地層の縞模様ではなさそうだ。
 これはベイン構造(またはヒゲ構造)とよばれる、地層の割れ目を埋めた構造だ。まだ柔らかく、固まっていない堆積物を、水平方向に振動させるとこのような細かい平行なひび割れが沢山できるらしい。本がいっぱいに並んだ本棚を横に揺らして、本が傾いた様子をイメージでしてほしい。この縞模様は本と本の間にあたり、本棚の一段一段が、積み重なった地層にあたる。
 地層にそのような痕跡を残す振動は地震であり、見つかった場所の上流域の地質(天津層)から見て、おそらく500万年以上前の地震の記録と言えそうだ。
 (加藤久佳)

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