No.1104 2013/02/01(金)

 リョウメンシダ


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 「このシダは何という名前?」と宿原にお住まいのTさんが三島小教室博物館にシダを持ってきた(写真1)。
 「これはリョウメンシダです。葉の表と裏がよく似ていてどちらが表か分からないでしょう?」と答えると、「なるほど。で、このぶつぶつは何?」とTさん。
 Tさんの疑問は、葉の裏面についた茶色のぶつぶつ(写真2)の正体。「これは、リョウメンシダの胞子です。虫眼鏡でみると、小さな粒が集まっていて、それを覆うように傘のようなものがついているでしょう。詳しく言うと、見えている粒の1つ1つが胞子嚢(ほうしのう)という袋で、中に胞子がたくさん入っています。1個1個の胞子は目に見えないほど小さな粒です。胞子嚢の集まりが胞子嚢群(ほうしのうぐん)で、それを覆っているの傘のようなものは包膜(ほうまく)といいます。シダには花も種もないけれど、種の代わりにこうやって胞子を作って殖えるんです。」
 「へえ、そうなんだ」とTさん。この後、ゼンマイには胞子をつけない葉と胞子をつける胞子葉があるという話や、つくしん坊はスギナの子じゃなくて胞子葉だという話に。シダの葉のぶつぶつがずいぶん長い話に発展してしまった次第。
 (尾崎煙雄)

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写真1
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写真2
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 リョウメンシダ Arachniodes standishii(オシダ科)

 ゼンマイ Osmunda japonica(ゼンマイ科)

 スギナ Equisetum aravense(トクサ科)

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