No.1163 2013/07/03(水)

 テッポウムシタケ


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 清澄山系の深い森の中。直径1メートルを超えるモミの立ち枯れの根元近くに奇妙なキノコらしきものが生えている(写真1)。「もしや」と思い掘ってみた。間もなくキノコの根元につながった白い幼虫が出てきた(写真2)。予想通り冬虫夏草(とうちゅうかそう)であった(写真3)。冬虫夏草は昆虫等に寄生するキノコの仲間だ。幼虫の大きさは5センチほど。枯れ木の内部に棲むこの大きさの幼虫といえばウスバカミキリの他には考えにくい。したがって、このキノコはテッポウムシタケと思われる。こんなに大きな冬虫夏草を見るのは初めてだ。やはり深い森には不思議な生きものが隠れている。
 (尾崎煙雄)

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写真1
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写真2
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写真3
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 モミ Abies firma(マツ科)

 ウスバカミキリ Megopis sinica(カミキリムシ科)

 テッポウムシタケ Cordyceps nakazawai(バッカクキン科)

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