No.1194 2013/10/07(月)

 オオスズメバチの狩り


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 森の中の倒木の陰から「ピシッ、ピシッ」という音が聞こえた。小さいけれども鋭い音だ。のぞいてみたら、餌を捉えたオオスズメバチが(写真1)。捕まったキムネクマバチはまだ生きていて抵抗を試みるが、オオスズメバチの脚でしっかりと抱えられ、逃げることができない。オオスズメバチは左後脚1本で器用に倒木に懸垂しつつ、その強大な大あごでキムネクマバチの身体を噛んでいる。ピシッという音は大あごがキムネクマバチの外骨格を噛み砕く音だったのだ。およそ5分ほど観察を続けたら、オオスズメバチは餌の腹部(写真2)と翅(写真3)を切り落として胸と頭だけをくわえて飛び去った。筋肉の多い胸部を利用するのだろう。この間、観察している人間の存在には気づかないか、気にとめていないようであった。それにしても見事な仕事ぶりであった。
 (尾崎煙雄)

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写真1
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写真2
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写真3
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 オオスズメバチ Vespa mandarinia japonica(スズメバチ科)

 キムネクマバチ Xylocopa appendiculata circumvolans(ミツバチ科)

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