No.1271 2014/06/26(木)

 ヤマビルの卵のう


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 清澄山系にて。同行していたSさんが、石の下になにか不思議なものを見つけたという。直径1センチほどの赤い球形の物体(写真1)。ヤマビルの卵のうだ。拡大してみると、周囲を透明のガラス細工のようなもので囲まれている(写真2)。中心部には10個前後の卵が固まっている。成熟したヤマビルは吸血した後に、このような卵のうを1〜数個産むそうだ。以前、ヤマビルの研究者に卵のうを見せていただいたことがあるが、野外で見るのはこれが初めてだ。吸血動物のヤマビルは嫌われ者だが、この卵のうの造形はヤマビルの作品とは思えない美しさだ。野外で見つけると、宝物を掘り当てたような気分になる。この卵のうは展示用に博物館に持ち帰ることにした。
 (尾崎煙雄)

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写真1
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写真2
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 ヤマビル Haemadipsa zeylanica japonica(ヤマビル科)

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