No.1282 2014/08/11(月)

 モンキツノカメムシ


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 元清澄山系の奥地にて植物の調査中。ふと見ると荷物の上に交尾中のカメムシがいる(写真1)。「あ、モンキツノカメムシだ」と声を上げたら、「それは珍しい虫なの?」と同行者に訊かれた。「はい。近縁のエサキモンキツノカメムシはよく見かけるんですが、房総ではモンキツノカメムシはめったに見つからないんです」と答えると、「早口言葉みたいだねぇ」と笑われた。エサキモンキツノカメムシは長くて覚えられない名前の代表格だが、背中にある黄色いハート模様が特徴で、「ハートのカメムシ」と覚えている人もいる(写真2)。モンキツノカメムシの方は背中の模様がハート型ではなく角の丸い三角形だ(写真1)。他にも細かい相違点はいくつもあるが、両者はよく似ている。大きさはどちらも1センチほど。しかし、エサキモンキは人里近くでも普通に見つかるのに対して、モンキの方はかなりの山奥でしか見つからない。利用する植物も一部共通しているのだが、生態が違うのだ。でも、どう違うのかは謎だ。
 (尾崎煙雄)

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写真1
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写真2
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 モンキツノカメムシ Sastragala scutellsta(ツノカメムシ科)

 エサキモンキツノカメムシ Sastragala esakii(ツノカメムシ科)

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