No.1292 2014/09/12(金)

 コフキゾウムシ


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 クズの葉に5ミリほどの甲虫がいた(写真1)。コフキゾウムシだ。その名のとおり身体の表面が鱗粉に覆われて粉をふいたようにみえる(写真2)。熱心に葉をかじる姿を見ていてふと思った。「どうみてもゾウというよりは、カバっぽいな」と。
 ゾウムシの仲間にはゾウの鼻のように長い口吻(こうふん)を持つ種が多い(写真3;シギゾウムシの1種)。口吻とは、頭部が前方に細長く伸びたもので、その先端に口がある。しかし、コフキゾウムシが属するクチブトゾウムシ亜科の種はどれも細長い口吻を持たず、カバのような顔をしている。たしかにゾウの鼻みたいな口吻ではこんな風に葉をかじるのに不都合だろう。「ゾウムシの形も食べ物に合わせて上手くできているんだな」と、考えてみれば当たり前のことに思い当たって、ひとり納得した。
 (尾崎煙雄)

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写真1
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写真2
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写真3
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 クズ Pueraria lobata(マメ科)

 コフキゾウムシ Eugnathus distinctus(ゾウムシ科)

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