No.1336 2015/03/17(火)

 ミツマタ


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 ミツマタの花が咲き始めた(写真1)。ジンチョウゲ科の低木で、日本には自生しないが、植栽されたものをよく目にする。観察会などで「和紙の原料として知られているミツマタです」と紹介すると、3回に2回くらいは「ああ、これがあの『コウゾ、ミツマタ』のミツマタですか!」と感心される。教科書で読んで名前は知っていたが、見たことがないという人がとても多いのだ。まるで長年の謎が解けたとでも言わんばかりの感激ぶりに、こちらも手応えを感じる。
 ミツマタの花は長さ1センチ半ほどの筒形で、内側は鮮やかな黄色で、外側は光沢のある白い絹毛に覆われている。このような筒状花が30個以上球形に集まって、満開になると黄色い鞠のように見える。この日、咲き始めのミツマタにも虫が訪れていた。長いストローのような口を持つビロウドツリアブは、器用に狙いを定めて花の奥の蜜を吸っていた(写真2)。小さなコハナバチの仲間は花の奥には潜り込めないようだが、雄しべの花粉が目当てのようだ(写真3)。
 (尾崎煙雄)

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写真1
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写真2
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写真3
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 ミツマタ Edgeworthia chrysantha(ジンチョウゲ科)

 ビロウドツリアブ Bombylius major(ツリアブ科)

 コハナバチの仲間 Halictidae sp.(コハナバチ科)

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