No.1345 2015/04/17(金)

 ツボスミレ


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 三島小の校庭に咲いていたツボスミレ(写真1)。別名、ニョイスミレとも呼ばれる。スミレの仲間は日本に60種類以上もあって、花の色や形がよく似たものも多く識別が難しい。そんな中で、このツボスミレは比較的わかりやすい方だ。
 スミレの花はみな5枚の花びらを持つ。正面から見たときに下にあるものを「唇弁(しんべん)」といい、左右にある2枚を「側弁」、上にある2枚を「上弁」という。ツボスミレの上弁は強くカールして後ろを向く。花色は基本的に白だが、側弁と唇弁には赤紫色の筋状の模様がついている。とくに唇弁の模様は目立つ(写真2)。この模様は、花の奥にある蜜のありかを昆虫に教えるためのものと考えられている。唇弁は花を訪れる昆虫の足場の役割もある。つまり、進むべき方向を指し示す誘導灯のついた滑走路のようなものだ。花の奥には蜜と雄しべと雌しべがあり、虫たちはごほうびの蜜と引き替えに花粉を運んでくれる。知識として知ってはいても、花をのぞき込むたびに「うまくできているなぁ」と感心する。
 (尾崎煙雄)

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写真1
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写真2
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 ツボスミレ Viora verecunda var. verecunda(スミレ科)

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