No.1349 2015/04/24(金)

 ヤドリギブーム


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 3月に発行した房総の山のフィールド・ミュージアムのニュースレター『しいむじな』48号にヤドリギの記事を掲載したところ、「Uさん」とおっしゃる読者の方から君津市清和公民館を通じて写真が届けられた。写真1は今年の3月に君津市平田で撮影されたもの。2本のケヤキに多数のヤドリギが寄生している。 そして、写真2は3年前の4月に木更津市内で撮影されたものだ。ソメイヨシノに寄生したヤドリギで、花とのコントラストが美しい。Uさんは3年前にはすでにヤドリギに関心をお持ちだったようだ。いずれも貴重な記録としてデータに追加させていただいた。

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写真1
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写真2
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 同じ3月に発行された、君津市清和公民館の『館報せいわ』354号にもヤドリギの記事を書いた。この記事を読んだ清和地区在住のSさんから公民館に次のようなはがきが届いたそうだ。

 「ある日、道路に車を止めて木の上の写真をとっている方に会い、今まで木の病気と思っていた物がヤドリギであることを初めて知りました。今度館報に載せるからと話され読みました。なる程、小糸に行ったら1本の木に10個位ヤドリギがありました。兄の話によると風の強い日には落ちることもあるそうです」

 文中にある「木の上の写真をとっている方」というのはぼくのことだ。公民館の近くでヤドリギの調査をしていた折にSさんと行き会い、立ち話をした。その時のことを思い出し、はがきを送ってくださったのだ。そして、公民館の担当者からも次のようなメッセージをいただいた。

 「清和地区にひそかなヤドリギブームが到来していますね。「しいむじな」や「館報せいわ」を通じて、地域のつながりが広がることを嬉しく思った今日この頃です」

 ヤドリギには不思議な魅力があるらしく、さまざまな方から反響をいただく。とくに自然観察好きというわけではない方からのお便りも少なくない。ヤドリギをきっかけに身近な自然に関心をもつ人が増えてくれたらうれしい。
 (尾崎煙雄)

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 ヤドリギ Viscum album subsp. coloratum(ヤドリギ科)

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