No.1402 2015/12/11(金)
トビイロツノゼミ
館山市在住のFさんが体長6ミリほどの小さな昆虫を持ってきてくださった(写真1)。トビイロツノゼミのようだ。 ツノゼミ科の昆虫は世界の熱帯を中心に分布し、胸部に大きく奇抜な形の「角」を持つものが多い。日本産のツノゼミは比較的「地味」で、「角」のない種も少なくない。 トビイロツノゼミは小さな「角」を持っている。背面からみるとネコの耳のように見えるのが角だ(写真2)。胸部の後端は細長く棘状に伸びて、体長の2/3を超える。背面からは頭部はほとんど見えないが、正面からみると「顔」がみえる。左右に複眼がついているのが頭部で、その上にあるのが前胸部。前胸部に1対の「角」があるのがわかる(写真3)。 腹面からみると、細長い口がみえる(写真4)。このストロー状の口を植物に差し込んで汁を吸う。この口の形状をみると、ツノゼミがセミに近い仲間であることが納得できる。 (尾崎煙雄)
トビイロツノゼミ Machaerotypus sibiricus(ツノゼミ科)