No.1438 2016/05/13(金)

 マユミの花


dummy

 農道の脇でマユミの花が咲いていた(写真1)。マユミはニシキギ科の落葉広葉樹。マユミの花には雄しべが雌しべより長いものと、逆に雌しべの方が長いものの2つのタイプがある。この個体は前者のようだ。
 マユミの花には多様な昆虫が訪れていた。写真2はハエの仲間で丸いお尻に黒の模様があるかわいらしいマルボシヒラタヤドリバエ。花の上を盛んに歩き回って蜜をなめている様子。マユミの花の蜜は4枚ある花弁の付け根あたりにある。マルボシヒラタヤドリバエの身体や脚には花粉がたくさんついていて、授粉に役立っているようだ(写真3)。
 甲虫の仲間のヨツボシハムシも花を訪れていた。この虫は上記のハエより身体が小さく、花の上を歩き回るというよりは、花弁にとまって蜜を探り、ときには写真4のように花の下側から頭を出して蜜をなめたりしている。花粉を出している雄しべの先端に触れることはあまりないようで、ヨツボシハムシの身体にはほとんど花粉がついていない(写真5)。マユミの立場からみれば「食い逃げ」のようなものか。
 白い花弁を水平に開き上を向いて咲くマユミの花は、花としてはとても単純な造りだ。ハエやアブの仲間はマユミにとってよいお客さんなのだろう。
 (尾崎煙雄)

dummy
dummy
写真1
dummy
dummy
写真2
dummy
dummy
写真3
dummy
dummy
写真4
dummy
dummy


写真5

dummy
dummy

 マユミ Euonymus sieboldianus(ニシキギ科)

 マルボシヒラタヤドリバエ Gymnosoma rotundatum(ヤドリバエ科)

 ヨツボシハムシ Paridea quadriplagiata(ハムシ科)

 


ニュース一覧へもどる