No.1440 2016/05/20(金)

 イタチハギ


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 最近「この植物は何ですか?」と尋ねられることが増えた(写真1)。これはイタチハギという北アメリカ原産の外来植物で、日本には緑化植物として持ち込まれたもの。濃い紫の花色から(写真2)、クロバナエンジュとも呼ばれる。日本各地に広がったのはおもに戦後のことだそうだ。日本生態学会が定めた「日本の侵略的外来種ワースト100」に選ばれているほど繁殖力が強く、在来種を圧迫することが懸念されている。
 房総丘陵でも法面緑化などの目的で導入されたようだが、ここ10年ほどの間に急に増えた感がある。今ではちょっとした空き地にも旺盛に繁茂していて「道端の普通種」になった。たとえばセイタカアワダチソウを指して「この植物は何ですか?」と尋ねられることはまずない。セイタカアワダチソウのようにずっと以前に「普通種」になった外来植物は多くの人に知られているからだろう。イタチハギの名をよく尋ねられるのは、少なくとも房総丘陵ではこれが増加中の外来植物であるからなのだと思う。そのうちイタチハギの名を尋ねられる機会も減っていくに違いない。
 (尾崎煙雄)

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写真1
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写真2
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 イタチハギ Amorpha fruitcosa(マメ科)

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