No.1467 2016/09/14(水)
ヤママユ
清澄山系にて。夜の灯火にやって来た大きなガ(写真1)。ヤママユの雄だ。翅を広げると幅15センチ近い。同行していた大学生がそっと手を差し出すと「手乗りヤママユ」となった。 ガを嫌う人は多い。とりわけこれほど大きなガが飛んでくると恐怖を覚えるという人もいる。一方、ヤママユのように大きくて毛深いガは「かわいい」という人もいる。経験的にはどちらかというと女性に多いような気がする。 ヤママユの顔を正面から撮影してみた(写真2)。黒くつぶらな瞳(正しくは複眼)と柔らかそうな毛に覆われた顔や脚、そして大きな羽根飾りのような触角。これを見れば「かわいい」と感じる人も少なくないと思う。触角の角度によって表情が変わるところもおもしろい(写真3)。 ヤママユは春に卵から孵化し、幼虫はコナラなどの木の葉を食べて育つ。夏の終わり頃に繭を作りやがて成虫が羽化する。房総丘陵では9月がちょうどヤママユのシーズンだ。 (尾崎煙雄)
ヤママユ Antheraea yamamai(ヤママユガ科)
コナラ Quercus serrata(ブナ科)