No.1474 2016/10/21(金)

 アキノノゲシとアブラムシ


dummy

 木更津市内の丘陵地にて。秋の草原を彩る野菊の一種、アキノノゲシの花が咲いていた(写真1)。この花を陽光に透かしてみると鮮やかな赤い点がちりばめられている(写真2)。アブラムシだ。
 これはアキノノゲシをはじめとするノゲシ類に寄生するタイワンヒゲナガアブラムシのようだ。真っ赤な身体に長い触角と長い脚を持つ(写真3)。大小あるが、小さいのは幼虫、大きいのは無翅型の成虫と思われる。みんな同じ体勢でいるのが面白い。
 このアブラムシは身体の後端付近に1対の黒い突起を持つ。これは「角状管(かくじょうかん)」と呼ばれる突起で、多くのアブラムシに見られる。アブラムシがアリなどに与える「甘露」はこの角状管ではなく、身体後端の排泄孔から分泌される。角状管からは敵の接近を仲間に知らせる「警戒フェロモン」が分泌されることが知られている。この日、角状管の先端にオレンジ色の液滴を付けたアブラムシが観察できた(写真4)。この液滴は、撮影のために接近した私に対する警報フェロモンなのだろうか?
 (尾崎煙雄)

dummy
dummy
写真1
dummy
dummy
写真2
dummy
dummy
写真3
dummy
dummy
写真4
dummy
dummy

 アキノノゲシ Lactuca indica(キク科)

 タイワンヒゲナガアブラムシ Uroleucon formosanum(アブラムシ科)

 


ニュース一覧へもどる