房総丘陵から見ると富士山はほぼ真西の方角、およそ１３０キロほど先にある。山の中でも西側が開けていれば富士山を望める場所がある。この日は快晴で空気も澄んでおり、市原市内の山中から富士山が綺麗に見えた（写真１）。
　この場所の標高は約１６０メートル。前景にある丘陵は高くても１５０メートル前後なので、富士山がひときわ高く見えた（写真２）。富士山の右下、紅白の送電鉄塔の間に見える２本の白い塔は富津火力発電所の煙突だ。
　さらに、富士山の右側に少しだけ頭をのぞかせている白い峰は南アルプスの赤石岳と聖岳だと思われる（写真３）。いずれも３０００メートルを超える名峰だ。赤石岳までの距離はおよそ１８０キロ。あの山の頂上に立って東を眺めたら、はたして房総丘陵ははっきりと見えるのだろうか。
　（尾崎煙雄）