No.1504 2017/03/19(日)

 ヨコヅナサシガメ


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 この日は春らしい陽気であった。三島湖畔のサクラの木の樹皮にたくさんの虫が集まっているのを見つけた(写真1)。ヨコヅナサシガメの終齢幼虫だ。体長1.5センチほど。寒さに耐えるかのように身を寄せ合ってじっとしていたが、写真を撮ろうとカメラを近づけると、四方へ逃げ出した(写真2)。歩きは早くはないが、どんどん逃げていく。
 ようやく立ち止まった1匹の拡大写真を撮ることができた(写真3)。全身つやのある黒色だが、背面や脚の付け根にある赤い部分や、腹部の縁にある白い縞模様が目立つ。まだ幼虫なので翅(はね)はない。頭部の下に折りたたまれた口は太く長い針のような形で、他の昆虫などを捕らえて体液を吸う肉食昆虫だ。
 ヨコヅナサシガメはもともと南方系の昆虫だが、北に向かって分布が拡大している。房総丘陵でも、10年ほど前からは普通に見つかるようになった。
 (尾崎煙雄)

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写真1
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写真2
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写真3
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 ヨコヅナサシガメ Agriosphodrus dohrni(サシガメ科)

 


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