No.1505 2017/03/24(金)

 ミツバアケビの花


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 三島小の校庭でミツバアケビの花が咲いた(写真1)。ミツバアケビには雌花と雄花があり、同じ花序に両方が着く。写真1の上方にある2つの大きな花が雌花。同じく下の方に十数個集まって着いているのが雄花だ。
 雌花を拡大したのが写真2。花には3枚のがく片があり、中央には雌しべが6本ずつある(雌しべの数はこれより多いことも少ないこともある)。この雌しべがだんだん成長して、秋には果実になる。雌しべの先端の光沢がある部分を「柱頭(ちゅうとう)」という。柱頭は水飴のような粘液で被われていて、花粉がうまくくっつくようになっている。粘液のせいで、隣り合う柱頭がくっついてしまっていたりするし、ごみが付着したりもする。指先で触れるとねばつくのがわかる。
 一方、雄花を拡大したのが写真3である。雄花にも3枚のがく片があり、中央には雄しべが6本ずつある。写真3の右側に写っている「赤紫色をしたバナナの房」のように見えるのがおしべだ。1つの雄しべに「葯(やく)」と呼ばれる花粉の入った袋が2つずつついている。やがて葯は裂開し、中に詰まった白っぽい花粉を出す。花粉にも粘着性があり、花を訪れた虫の身体にくっついて首尾よく雌花に運ばれる機会を待つ。
 受粉の時期が過ぎると雄花はじきにしおれ、雌花より先の花序の軸ごと落ちてしまう。「ああ、だから雌花は花序の根元に近い方に咲くんだな」と、当たり前のことに気づき、納得。
 (尾崎煙雄)

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写真1
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写真2 雌花
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写真3 雄花
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 ミツバアケビ Akebia trifoliata(アケビ科)

 


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