No.1525 2017/06/11(日)

 ビロードハマキ


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 博物館を来訪された千葉市在住のIさんが1匹のガを持参され、名前を知りたいとのお尋ねを受けた。ガの仲間は同定が難しいものが多いので、重い図鑑を4冊も抱えて対応に出た。しかし、差し出されたガを一目見てすぐに図鑑は不要だったことに気づいた(写真1)。
 この美しいガはビロードハマキといい、似た種は他にはない。翅(はね)を閉じて止まった状態の体長は約3センチ(写真2)。黒を基調とした地に白い斑点や筋模様がちりばめられ、翅の後端には黄色からオレンジ色の鮮やかな斑紋がある。
 ビロードハマキは国内では南方系の種で、以前は千葉県が分布の北限と考えられていたこともある。今から十数年前、房総丘陵でこのガを採集した時にはとてもうれしかった記憶がある。近年は分布が北上しており、東北地方にまで分布を拡げている。千葉県内でも以前より見かけることが多くなった気がする。
 (尾崎煙雄)

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写真1
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写真2
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 ビロードハマキ Cerace xanthocosma(ハマキガ科)

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