No.1530 2017/07/10(月)

 ルーミスシジミ


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 清澄山系にて。暗い森の地表に落ちた枯葉の上に小さなチョウが止まっているのに気づいた(写真1)。動かなければ枯葉の色にまぎれて見つからないほど地味なチョウだ。しかしこのチョウが少し翅(はね)を開くと、鮮やかなメタリックブルーの輝きが眼を射る(写真2)。ルーミスシジミである。
 近縁のムラサキシジミにも似ているが、その翅の輝きはルーミスシジミの方がはるかに上品な印象がある。その希少さとあいまってファンの多いチョウである。
 ルーミスシジミは照葉樹林(しょうようじゅりん)のチョウだ。照葉樹林とは、シイやカシ等の常緑広葉樹を主体とした森のことで、ルーミスシジミの幼虫はカシの仲間の葉を餌としている。このチョウはおもに紀伊半島以西の西日本に分布するが、飛び離れて房総丘陵に生息地がある。
 (尾崎煙雄)

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写真1
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写真2
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写真3

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 ルーミスシジミ Arhopala ganesa(シジミチョウ科)

 ムラサキシジミ Arhopala japonica(シジミチョウ科)

 


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